2022年選手権2回戦 下関国際vs富島(6日目第4試合)

2022年

大会6日目第4試合

下関国際

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 2 0 1 1 5
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

富島

 

下関国際   古賀→仲井

富島     日高

好投手・日高と下関国際打線の対決が注目された試合は、下関国際の6番赤瀬が4安打の大暴れ。粘り強い攻撃で剛腕・日高を攻略し、2018年以来の夏1勝を記録した。

試合

富島のエース日高は最速148キロを誇る、今大会屈指の本格派。満を持して先発のマウンドに上がった。対する下関国際は昨年の選抜を経験したメンバーがほとんど残っており、坂原監督の築き上げた機動力野球に自信を持つ。

1回表、下関国際は1アウトから2番松本が三遊間深い位置への内野安打で出塁。3番水安は強攻策でレフトフライに倒れるが、4番賀谷もセンターへのヒットでつなぎ、チャンスを拡大する。日高の速球に対し、初回からコンパクトなスイングで対応。5番奥山の四球で満塁とすると、この日キーマンと目されていた左打者の6番赤瀬がサード強襲の内野安打を放って1点を先制する。

下関国際の先発は左腕・古賀。昨年の選抜でもマウンドを踏んだ経験豊富な左腕は、初回先頭打者をヒットで出すも、3番日高・4番山口を決め球のスライダーで三振に切って取る。初回から両チームとも、ランナーを積極的に動かし、仕掛け合いの様相を呈する。

1回に1点を失ったものの、やはり富島のエース日高はほれぼれするようなボールを投じる。どこか同じ宮崎出身の戸郷(聖心ウルスラ→巨人)を思い起こさせるようなテークバックから伸びのある速球を投じる。縦に落ちるスライダーも駆使しながら、2回以降は立ち直りの兆しを見せる。

一方、下関国際の古賀は2回裏にも6番日柳の四球と8番海野のセーフティバントで2アウト1,3塁のピンチを招く。チーム打率はさほどではないが、富島も伝統的に機動力で揺さぶることを得意としているチームだ。しかし、ここも9番黒木天の投手強襲の当たりを好捕し、失点を許さない。大事な場面では武器のスライダーで相手を打たせて取り、決定打を許さない。5回裏にも2アウト1,3塁で重盗を仕掛けられるが、バックの好守備でしのぐ。

序盤はどちらかと言えば、ビハインドの富島が押す展開。しかし、古賀がランナーを出しながらも踏ん張りを見せてリードを保つ。また、打線も日高のストレートに押され気味ではあったが、コンパクトなスイングでファウルを打ち、5回で85球と球数を稼いでいく。2018年夏に創志学園のエース西(阪神)を粘り強い攻撃で終盤に攻略した攻撃が想起された。

すると、6回表、グラウンド整備の終わったこの回に再び下関国際が流れをつかむ。1アウトから5番奥山が四球で出塁。そろそろ仕掛けを見せたい坂原監督はこの日すでに2安打と当たっている赤瀬の打席で果敢にエンドランをしかける。バッテリーも警戒しながらの投球だったが、3球目のアウトコースへの速球に赤瀬が巧みにコンタクト。これがレフト線にふらふらっと落ちるタイムリー2塁打となり、大きな追加点を手にする。

さらに、7番も二遊間への当たりを放ち、これをセカンドがはじく間に赤瀬が一気にホームを駆け抜け、3点目。大型投手を足元から崩す理想の攻撃で主導権を手にする。

ただ、下関国際の古賀も序盤からピンチの連続。6回で球数は早くも100球に達する。6番日柳がサードゴロエラーで出塁すると、2アウト後に8番海野、9番黒木天も連続四球で続いて、この日最大のチャンスを迎える。しかし、ここで下関国際の坂原監督はスパッと右腕・仲井にスイッチ。仲井は1番坂本をアウトコースへの絶妙なスライダーで三振に打ち取り、富島の反撃の芽を摘み取る。

この6回の攻防が非常に大きかったか、終盤は完全に下関国際のペースとなる。前半の攻撃がボディーブローのように効いてきたか、日高の球威もやや落ちてきた。8回表には下位打線からチャンスを作ると、リリーフでマウンドに上がった1番仲井が低めの変化球をうまく拾ってセンターへタイムリー。9回表にも7番のタイムリーでさらに1点を加え、終わってみれば好投手・日高に13安打を浴びせていた。

下関国際は6回途中からリリーフした仲井が打者10人で一人もランナーを出さないパーフェクトピッチングを展開。終始、主導権を握り続けた下関国際が富島を5-0で下し、16強へとコマを進めた。

まとめ

下関国際は2年間、ほぼ現在のメンバーで戦ってきたこともあり、投攻守に非常に総合力が高かった。打線は上位から下位までしぶとい打撃で日高からヒットを重ねれば、投げては左腕・古賀から右腕・仲井への継投で完封リレー。持ち味の機動力も存分に発揮し、相手に守りのリズムを作らせなかった。

2018年夏にも8強入りしているが、エース鶴田一人だったあの時より、力のある3投手を擁する今年の方が層の厚さでは上かもしれない。昨秋は中国大会で広陵に0-3と完封負けするなど、力がありながらなかなか甲子園に戻ってこれなかったが、最後の夏にすべてがかみ合った戦いを見せつけている。

一方、富島はエース日高が粘り強く投げ抜いたが、やはり下関国際のじわじわと攻めつける攻撃に屈した。打線は、序盤からこちらも持ち味である機動力を絡めて攻撃したが、古賀の踏ん張りでここ一本が出ず、中盤までで残塁は2桁を数えた。投打に富島の良さが出ている場面は多々見られたのだが、3度目の出場で悲願の初勝利とはならなかった。

下関国際×富島高校戦 ハイライト – YouTube

コメント

  1. […] […]

タイトルとURLをコピーしました