2022年選抜1回戦 木更津総合vs山梨学院(3日目第1試合)

2022年

大会3日目第1試合

山梨学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2

木更津総合

 

山梨学院   榎谷

木更津総合  越井

大会屈指の右腕同士による投手戦は、両者譲らずタイブレークに突入。好走塁でチャンスをつかんだ木更津総合が山梨学院・榎谷の牙城を崩し、2回戦進出を決めた。

試合

木更津総合・越井、山梨学院・榎谷。関東はおろか全国でも屈指の好投手同士の投げ合いに注目が集まった。好投手攻略のキーポイントとして立ち上がりの攻略が挙げられるが、先手を奪ったのは木更津総合であった。

越井は1回表に2番鈴木に2塁打を浴びながらも無失点で切り抜けると、その裏、山梨学院の榎谷を攻める。1アウトから2番中西がストレートをとらえてレフト線への2塁打で出塁すると、3番菊地はアウトコースのスライダーを逆方向へ軽打して1,3塁。4番水野にはランエンドヒットをかけ、セカンドゴロとなる間に3塁ランナーが生還し、1点を先制する。コントロールのいい榎谷に対して、狙い球を絞っての速い仕掛けが目立つ。

木更津総合のエース越井は球威のある速球が魅力だが、腕が遅れて出てくるフォームがなおさら相手打者のバットを差し込むことに。序盤からストライク先行の投球で、多彩な球種も駆使してチーム打率出場校トップの強力打線を抑え込んでいく。

これに呼応するかのように山梨学院・榎谷も徐々に調子を上げていく。安定して低めに集められるコントロールを持ち、シャープなスイングの木更津総合打線に内野ゴロを打たせていく。内野陣の失策が出る場面があっても落ち着いて後続を断っており、さすが公式戦防御率ほぼ1点の投手である。

山梨学院の反撃は5回表だった。越井の速球に慣れ始めたか、1アウトから7番岩田がライト線への2塁打を放って出塁すると、2アウト後に9番榎谷がアウトコースのストレートをライト線にうまくはじき返して同点に追いつく。球威のある速球に対して力負けすることなく打ち返した。

追いつかれた木更津総合は6回裏に1アウトから内野安打と四球で1,2塁のチャンスを迎えるが、7番渡辺はアウトコースいっぱいのスライダーに手が出ず。1塁ランナーも飛び出して挟殺され、惜しいチャンスを逃す。

その後は、再び木更津総合・越井、山梨学院・榎谷による投手戦となる。両チームともにバッター陣は磨かれた選球眼でカウントを整え、好球を狙いに行くが、打ちに行っても相手投手の球威が勝り、また四球で崩れることもないため、突破口が開けない。中盤あたりから、いつ終わるのだろうと感じてしまうほど、今大会最高レベルの投手戦が展開されていく。

両投手の強気の内角攻めと抜群のコントロールを打線が崩せないじりじりとしたゲームは、早くも今大会4度目となる延長戦に突入する。11回裏、木更津総合は先頭の4番水野がこの日2本目となるセンターへのヒットで出塁するも、後続が球威に押されて無得点に終わる。

一方、山梨学院の各打者は待っていてもカウントを不利にされるようになってきたため、浅いカウントから打ちに行くが、それでも越井の球威とコントロールが勝り、延長に入っても少ない球数でスイスイと投げ切られてしまう。

こうなると、もはや決着はタイブレークしかなかったか。延長13回表、山梨学院は無死1,2塁から8番進藤に犠打のサインを出すも、インハイの抜け球に思わずバットが当たってしまい、結果はサード封殺で失敗に。アンラッキーなプレーであった。続く9番榎谷はこの日チーム唯一の得点を挙げていたが、木更津総合バッテリーの術中にはまって4-6-3のダブルプレーに終わる。この攻撃で木更津総合に大きく流れが傾いた。

その裏、木更津総合は無死1,2塁から3番菊地のレフトフライで、レフトの体勢を見たセカンドランナーの山田はタッチアップで3塁を陥れる。定石なら左方向への定位置付近のフライだけにためらう可能性もあったが、山田の好判断であった。

1アウト1,3塁から山梨学院は4番水野を敬遠して満塁策を選択するも、榎谷にかかる疲労と圧力はやはりきついものがあった。ややボールが抜け気味になる中、カウント1-3からの5番須永への5球目、この試合トータルで155球目となる投球がボールになって押し出しを献上。3塁ランナーがホームを踏み、白熱した関東ダービーを制して、木更津総合が2回戦進出を決めた。

まとめ

木更津総合としてはエース越井が好投を見せる中、打線が山梨学院のエース榎谷に苦しんだが、最後は好走塁と選球眼で勝利をもぎ取った。それにしても、越井の投球は素晴らしく、コースいっぱいに決まるキレのあるボールを前に山梨学院打線もほとんどチャンスを作らせてもらえなかった。過去の甲子園を沸かせた先輩たちに勝るとも劣らないエースの存在が、木更津総合初優勝への決め手となるのか。今後が楽しみだチームだ。

一方、山梨学院もエース榎谷が抜群のコントロールを武器に力を発揮。初戦で消えるにはあまりにも惜しい好投手であった。やはり敗因は打線ということになってしまうが、この日の越井が相手では攻略できるチームが出場校中でいくつあるか…。優勝を狙うと意気込んでいた吉田監督だが、今大会も強豪を相手に苦杯をなめる結果となった。

【第94回選抜】木更津総合 ー 山梨学院 ハイライト – YouTube

2022年選抜1回戦予想 木更津総合vs山梨学院 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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