独断と偏見で選ぶ、2013年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2013年

常葉菊川(静岡)

1 堀田 10 渡辺
2 松木 11 穂積
3 桒原 12 市口
4 今坂 13 中田
5 大西 14 村松
6 遠藤 15 田村
7 前川 16 菊池
8 登地 17 金子
9 榊原 18 黄木

フルスイング貫いた選抜王者

選抜初優勝を果たして2007年選抜からの2年間、記録的な強打と革命的な走塁で高校球界を席巻した常葉菊川。そこから4年間は常葉橘の台頭などもあり、甲子園から遠ざかっていたが、2013年の選抜では前年秋の東海大会4強入りが評価され、久々に大舞台に戻ってきた。

年月は経っても、知将・森下監督のもと、「常葉菊川スタイル」は一切変化なし。主砲・遠藤を中心に登地、前川、松木らフルスイングを身上とする打線は、決して当てにいくような打撃は見せない。常に1つ先の塁を狙う走塁で強打を後押しし、守っては絶対的エースは不在なものの堅守で投手陣を後押しした。

投手陣は、常葉菊川らしい「投げ下ろしスタイル」で角度のある投手が並ぶ。エース堀田に穂積、渡辺といずれも直球と縦割れの変化球を武器に真っ向勝負を挑み、強気の投球が光る。

1回戦

常葉菊川

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 2 1 2 0 2 2 9
1 1 0 0 0 1 1 0 1 5

春江工

【甲子園名勝負】春江工業 vs 常葉菊川 ハイライト[第85回選抜記念大会] – YouTube

初戦は北信越王者の春江工と対戦。名将・川村監督に率いられたチームは、2年生捕手・栗原陵(ソフトバンク)を中心に、秋季大会では敦賀気比・浦和学院を破る快進撃を見せていた。初出場とはいえ、その実力は決して侮れないチームである。

試合は、初回から先発・穂積が捕まり、序盤に2点の先行を許す。しかし、中盤に常葉菊川自慢の打線が春江工のエース坪田を攻略。伸びのある速球も、カーブもしっかり引き付けて叩き、長打にする打撃は圧巻であった。春江工が単打を積み重ねて、1点1点積み重ねるが、常葉菊川は2年生の7番桒原(広島)が、3番遠藤が2ランを放ち、8回の9番今坂の2点タイムリーも含めて、ことごとく「打点2」の長打で引き離した。打ち合いならお手の物といった猛打ぶりを見せつけ、まずは久々の聖地で1勝を手にした。

 

2回戦

常葉菊川

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 0 3 0 4
0 1 0 0 0 0 1 0 1 3

報徳学園

【甲子園名勝負】報徳学園 vs 常葉菊川 ハイライト[第85回選抜記念大会] – YouTube

続く2回戦は、地元兵庫の報徳学園と激突。大会屈指の好右腕・乾を中心に本大会でも優勝候補の一角に上がる強豪だ。選抜優勝経験校同士の対戦でもあった。試合は、緊迫した投手戦となり、常葉菊川は先発・渡辺から堀田への継投で7回までを2失点と粘る。しかし、さしもの常葉打線も自慢のストレートでグイグイ押す乾の投球の前に7回まで1得点に封じられる。

だが、いくら抑え込まれても各人がフルスイングを貫く姿勢が徐々に報徳バッテリーを追い詰めていく。そして、8回表、代打菊池のヒットに四死球を絡め、満塁のチャンスを作ると、ここで打席には最も頼りになる3番遠藤。乾のストレート攻めに対してファウルで粘って甘いボールを引き出すと、とらえた打球は報徳の2年生ショート岸田(巨人)を強襲して左中間を真っ二つ。走者3人が次々とホームを駆け抜け、9回の報徳の反撃を1点で封じて見事な逆転勝利を飾った。

 

3回戦

常葉菊川

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0 0 0 0 1 0 0 2 × 3

高知

高知vs常葉菊川 ダイジェスト(第85回選抜・3回戦) – YouTube

実力校2校を倒し、迎えた3回戦は四国王者・高知と激突。高知は速球に伸びのある2年生右腕・酒井からフォークが光る3年生エース坂本への投手リレーで常葉打線に立ち向かう。特に坂本の落ちるボールは威力抜群で、常葉打線のフルスイングはことごとく空を切った。試合は8回に2点を追加した高知に軍配が上がったが、最後まで自分たちのスタイルを貫いた常葉菊川の野球もまた見事であった。5年ぶりの選抜で十分存在感を示して見せた。

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