独断と偏見で選ぶ、2014年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2014年

広島新庄(広島)

1 山岡 10 舟橋
2 田中啓 11 佐々木
3 熊田 12 藤原
4 西島 13 土屋
5 奥田慎 14 奥田豊
6 中林 15 尾原
7 田中琢 16 宮本
8 阪垣 17 藤本
9 二角 18 遠目塚

広島から現れた新強豪

1980年代までは伝統校・広島商を中心に回っていた広島の高校野球も、1990年代以降は広陵の復活や如水館の台頭などで、また違った様相を呈してきていた。元来、野球の盛んな地域だけあって、新興勢力が次々に台頭し、2011年の選抜では総合技術が選抜出場を果たすなど、フレッシュな顔ぶれが多くなってきていた。

そんな中、2013年夏の広島大会決勝は瀬戸内・山岡(オリックス)、広島新庄・田口(ヤクルト)の伝説に残る投手戦となった。0-0のまま引き分け再試合となり、次の試合も決勝点が入ったのは8回裏。広島新庄は惜しくも敗れたものの、迫田兄弟として知られる名監督コンビのお兄さん・迫田守昭監督に率いられたチームは年々力を増してきていた。広島商時代にも甲子園を経験していた名将のエキスが着実に注がれていたのである。

そして、2014年度のチームは再び好左腕のエース・山岡を擁し、秋の中国大会で決勝まで進出。岩国に惜しくも敗れて準優勝に終わったものの、広島県北部からは初となる甲子園出場を確実なものにした。好投手を中心にしっかり守り、機動力で相手を崩すという、実に広島県らしい好チームが甲子園に初お目見えすることとなった。

1回戦

広島新庄

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 2 1 0 0 2 6
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

東海大三

【センバツ・高校野球】 広島新庄vs東海大三 ハイライト – YouTube

初戦は東海大三との対戦となった。試合は初回に広島新庄が5番奥田慎のタイムリーで先制点を挙げると、エース山岡はライアン投法で足を高く上げたフォームから繰り出す快速球を武器に、東海大三打線を翻弄。初回から3者連続三振と絶好の滑り出しを見せる。打線もコツコツとミートする打法で東海大三・高井ジュリアンを攻略し、12安打で6点を奪取する。山岡は結局13個の三振を奪って、わずか2安打しか許さない圧巻のピッチングで完封勝ちを収め、力強い滑り出しを見せた。

ちなみにこの勝利は前年選抜から続く中国勢の連敗記録を10で止める勝利でもあった。

 

2回戦

桐生第一

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

広島新庄

【センバツ・高校野球】 桐生第一vs広島新庄 ハイライト – YouTube

続く2回戦は1999年夏の優勝校・桐生第一と激突。エース山田を中心にスタメンのほとんどが2年生のチームだったが、初戦は四国王者の今治西に5-1と完勝しており、油断ならないチームであった。

広島新庄は2回裏、好調な打撃を買われての先発起用となった6番・二角が躍動。死球で出塁すると、すかさず二盗を決め、野選で三塁に進んだ後は、浅いレフトフライで間一髪ホームを陥れる。さらに、延長に突入した10回表には、2アウト2塁からのライト前ヒットでホームへの好返球を見せて勝ち越し点を阻止と、「走って守って」の活躍でチームに貢献した。広島新庄はエース山岡の快投で逆転は許さず、前年夏の広島大会に続いて引き分け再試合を演じることとなった。

 

2回戦

広島新庄

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1 0 0 0 0 0 3 0 × 4

桐生第一

【センバツ・高校野球】 桐生第一vs広島新庄 ハイライト – YouTube

さすがに疲れの出た再試合では、山岡が攻略されて0-4と敗退したが、初出場で計33イニングを戦い抜いた、その内容は素晴らしいものであった。守備と走塁で相手に流れを渡さない「広島野球」の強さを見せた同校は、その後幾度も甲子園に姿を現し、今やすっかり常連校の一角となっている。

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