独断と偏見で選ぶ、2019年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2019年

星稜(石川)

1 奥川 10 寺沢
2 山瀬 11 荻原
3 福本 12 新保
4 山本 13 大高
5 知田 14 寺西
6 内山 15 今井
7 有松 16 竹村
8 東海林 17 吉本
9 岡田 18 高木

世代No.1右腕擁した優勝候補大本命

2018年から3季連続の出場となった星稜。選抜では8強入りを果たし、夏は済美との激闘に敗れたものの、大きなインパクトを残した。そのメンバーが多く残った新チームは奥川(ヤクルト)-山瀬(巨人)のバッテリーを中心に秋季大会を力強く勝ち上がる。奥川は力感のないフォームから繰り出す切れのある速球と高速スライダーでバッタバッタと三振を奪い、2006年度の田中将大(楽天)ばりの無双感と言っても過言ではなかった。

また、打線も1番東海林や1年生で甲子園スタメンに名を連ねた内山(ヤクルト)が残り、戦力は充実。控え投手陣にも甲子園で逆転サヨナラ満塁弾を浴びたリベンジに燃える左腕・寺沢や速球派右腕・荻原など多士済々な面子がおり、すべてにおいて全国トップクラスの陣容であった。

神宮大会では決勝で札幌大谷に逆転負けを喫したものの、奥川が先発していなかったこともあり、「実力No.1は星稜では」という声も多かった。特に中国地区を無敗で勝ち上がった広陵に対して」、9-0と大勝した試合は衝撃的で、石川勢初優勝も現実的に狙えるチームであることは疑いようがなかった。

1回戦

星稜

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 1 0 1 3
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

履正社

【決勝戦前日】第91回選抜高等学校野球大会一回戦 履正社0-3星稜 奥川恭伸 全球ハイライト – YouTube

初戦のスタートは快調そのものだった。相手は選抜準優勝2回の履正社であったが、3番小深田(DeNA)、4番井上(阪神)を中心とした強力打線を奥川が真っ向からねじ伏せる。さしもの履正社もこの時期に150キロ台の速球と高速スライダーをコーナーにビシバシ決められては手の出しようがなかった。打線も左腕・清水からコツコツと1点を積み重ね、奥川が17個目の三振を奪ってシャットアウト勝ち。大会初日にして星稜の存在感は頭一つ抜けたかと思われた。

 

2回戦

習志野

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 1 0 1 3
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

星稜

第91回センバツ 星稜ー習志野 ダイジェスト – YouTube

ところが、その星稜に待ったをかけたのが、2回の夏優勝経験を誇る習志野であった。2回裏に星稜は先制点を奪うも、アンダーハンド岩沢から右腕・飯塚のつなぐ投手リレーの前になかなか得点を奪えない。すると、奥川も習志野のバットを短く持って逆方向へ打ち返す打撃の前に苦戦。4回に3安打を浴びて追いつかれると、7回には失策も絡んで勝ち越しを許す。とどめは9回表に8番兼子にホームランを浴びて万事休す。習志野のうまい野球の前に涙を飲んだ。

この試合は、林監督がサイン盗みの件で詰め寄るなど遺恨を残したことでも知られているが、やはり投打で力がありながら実力を出し切れていない苛立ちがあったのは間違いないだろう。野球とはかくも難しいスポーツなのだと感じさせられた。そして、試合巧者相手に喫したこの黒星を糧に成長した星稜ナインは、夏に2度目の準優勝を果たすこととなる。

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