2000年春の選抜振り返りまとめ

2000年

20世紀最後の選抜を制したのは東海大相模高だった。原辰徳(巨人)を擁した47回大会も、吉田(近鉄)をエースに押し立てた64回大会でも届かなかった偉業を就任してまもない若い門馬監督が成し遂げた。大会前の不祥事により、内海、李(ともに巨人)、仲澤(中日ソフトバンク)らを擁した優勝候補の敦賀気比が不在となり、優勝争いが混とんとしていた中で投打に安定した力を発揮したあたりはさすが名門校といった感じだった。

今大会では好投手が多数出場し、好投手vs強力打線という構図の勝負が多かった。その中でも準優勝した智辯和歌山の強打は鮮烈な印象を残し、1回戦では24安打20得点を挙げて大会の数々の記録を塗り替えた。

地区ごとで見ると関東勢が3校ベスト8に残り、特に栃木県勢は国学院栃木がベスト4、作新学院がベスト8と躍進を見せた。その他各地区満遍なく勝ち上がった印象があり、古豪の鳥羽や福島商業も勝ち上がった。

一方、優勝候補と目されていたチームの早期敗退も目立ち、ベスト8を前にして前評判の高かった育英、広陵、上宮太子、四日市工業、国士館などが敗退していった。やはり、選抜で前評判通りの力を発揮するのは難しいと改めて感じさせられる大会だった。

優勝した東海大相模はエース筑川の好投と機動力を活かした攻撃が見事にかみ合い、ついに念願だった選抜の頂点を極めた。前年秋から投打にわたる実力は高く評価されていたが、懸案だったのが4番打者の不在。しかし、今大会4番に座った今森が大活躍。初戦、2戦目と先制の3ラン、2ランを連発。決勝戦でも先制タイムリーを放ち、打率5割を記録する大活躍を見せた。この今森の活躍に引っ張られるように打線は常に先制点を取って筑川を援護。村山、瀬戸、楢原の機動力を絡めて得点を奪っていった。結局この大会一度も相手にリードを許すことはなかった。

一方、140キロ台の伸びのある速球と低めにきれるスライダーで大会屈指の右本格派と評判だったエース筑川は好投を披露。初戦は前年ベスト4の強打の今治西打線を相手に13安打を浴びて、終盤5点差を振り出しに戻されたが、勝ち越しは許さず、最後は自らの3塁打とサヨナラ暴投で勝ちを手にした。2戦目はサイドスローの好投手・山脇との投手戦を32と接戦で制すると、作新学院、鳥羽には打線の大量援護もあって危なげなく投げ切ったで。

低めへの安定した制球力で決定打を許さない投球が光った。

決勝では猛打の智辯和歌山と対戦。それまで三振と内野ゴロの山を築いてきた筑川も疲れが見え、11安打を浴びて外野に何本も強烈な飛球が飛んだ。しかし、センター寺井の好守などもあり、肝心のホームは踏ませず。特に2アウト1塁から長打が出た場面が2度あったが、2度とも外野の素早い返球で1塁ランナーをホームには返さなかった。筑川が同点で終盤まで踏ん張ると最後は自慢の上位打線が機能して123番で2点を奪った。9回表の一打同点の場面では筑川が渾身の直球で相手3番の武内(ヤクルト)を空振り三振の取り、見事に2000年の選抜を制したのだった。

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智辯和歌山vs国士館 2000年選抜 – 世界一の甲子園ブログ

今大会で最も強烈なインパクトを残したのは智辯和歌山だった。前年秋に近畿大会で初戦敗退しながら選出されたため、高嶋監督も選考委員の期待を裏切れないとプレッシャーを感じていた。しかし、ふたを開けてみると初戦から猛打爆発。丸亀の繰り出す投手陣の猛打を浴びせ続け、なんと20得点。1試合での両チームのヒット、得点や智辯和歌山自身の放った24安打など数々の新記録を打ち立てた。武内(ヤクルト)・池辺・後藤の中軸を中心に上位から下位まで満遍なく打ち分ける打棒はすさまじかった。2戦目は大会No.1左腕と評判の国士館・小島(広島オリックス)と対戦。終盤まで3点リードを許すも8回に一気に攻略。逆方向へ逆らわない打撃を見せ、1イニング8得点の猛攻で好左腕を沈めた。4番池辺は初戦、2戦目とホームランを連発。大会注目の打者として存在感を増していった。

一方、投手陣がチームの課題だったが、大会を通じて左腕・白野と2年生右腕・中家が交互に先発しながら成長。特に、白野は投げるたびにコントロールの精度が増していき、準々決勝では柳川の剛腕・香月(近鉄オリックスー巨人)との投げ合いを10と見事な完封で制し、大会序盤とは別人になっていた。下馬評では柳川有利ともいわれたなかで、九州屈指の強力打線を沈黙させた。準決勝では再び、猛打爆発。今大会台風の目ともいえる存在だった国学院栃木を相手に初回に後藤の満塁走者一掃のタイムリーで先手を取ると、あとは自慢の強力打線が得点を重ね、2年生投手中家が2失点完投勝利を収めた。

決勝では好投手・筑川と激突。序盤から好右腕を攻め立てたが、いかんせんホームが遠い。2点は奪ったが、常に先手を取られる展開に。再三外野へ深い当たりを飛ばしながらも東海大相模の鉄壁の外野陣に阻まれてしまった。9回には12番の小関、堤野の連打で一打同点のチャンスを作るも、最後は3番武内が高めの速球を空振り三振。4番池辺に回ることなく春を終えた。しかし、出場も危ぶまれる中で見事な進撃を見せて準優勝。青山・井口ら伸び盛りの2年生もおり、チームの伸びしろはまだまだありそう。昨夏の4強から一歩前進し、夏はいよいよ大旗を狙うことになるだろう。

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国学院栃木vs九州学院 2000年選抜 – 世界一の甲子園ブログ

国学院栃木もまた大会前の予想を超えて見事な躍進を見せた。初戦はいきなり開幕戦で近畿王者の育英と激突。3年前の選抜以来の再戦となった。3年前は守備の乱れから大量失点を喫したが、今大会では見事にリベンジ。1番柄目のセーフティバントから2番畑のエンドランでチャンスを広げると、3番館野のセンターオーバーの2塁打であっという間に2点を先取。前年秋の公式戦防御率0点台の育英のエース橋本を飲み込むと、育英守備陣の乱れにも乗じて大量10得点。長身エース大川も大量リードに守られて栗山(西武)らを擁する育英の機動力を封じ、106と快勝した。

2回戦では再び好投手・反頭と対戦。前年の防御率1,2位の好投手と連戦になったが、国学院栃木打線は臆さない。3回にポイントゲッター館野の2塁打で2点を先取。終盤にひっくり返されるが、9回表相手の外野手の落球に乗じてチャンスを広げると3点のビハインドを瞬く間にひっくり返した。九州学院のミスもあったが、足を絡めて好投手・反頭の甘いボールを逃さない打線のしたたかさが光った。

準々決勝では東北王者の福島商相手に速球派右腕・増茂が好投。館野の3試合連続の先制点となるタイムリーなどで奪ったリードを守り切り、初の4強入りを決めた。準決勝では智辯和歌山に力負けするも、自分たちの持ち味は存分に出し切ってのベスト4進出。夏は同ベスト8の作新学院らライバルは多いが、春夏連続の甲子園を目指す。

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センバツ平成の名場面:/21 第72回大会(2000年) 鳥羽、半 ...

同じくベスト4に進出した鳥羽は打線の力強さが光った。古都のスラッガーと評判だった4番近澤(近鉄)もさることながら、脇を固める打者も実力者ぞろい。初戦の埼玉栄戦では3番里井、6番中井らのタイムリーであっという間に4点を先取。埼玉栄の榎本は制球力に優れた投手だったが、鳥羽打線の迫力に飲み込まれた格好だった。特に6番の中井の放った打球は強烈でこの打者を6番におけるあたりに鳥羽打線の恐ろしさが見て取れた。

エースの谷口は速球とスライダーを外角低めに集めるオーソドックスな投球。初戦は満塁から連続押し出しなど不安定な一面もあったが、2失点完投。長野商業、明徳義塾戦は打ち込まれる場面もあったが、辛抱強くこらえた。そのエースを打線は強力援護。長野商業戦では好投手・金子(オリックス)を打ち崩し、明徳義塾戦では2度にわたるビハインドを跳ね返して大量12得点。馬淵監督をして「プロレスラーが並んでるよう」と言わしめた打線で常連校を圧倒した。

しかし、準決勝では一転、東海大相模の機動力野球を前にリズムを失って大量失点。エース谷口が疲労から力尽きたこともあったが、違う種類の強さを見せつけられて大差で敗れた。近澤が「守備から見直す」と雪辱を誓ったように、躍進の春からさらなる飛躍を目指す夏へと向かった。

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選抜高校野球

久しぶりの出場で見事にベスト8進出を果たした東北王者・福島商。前年秋に東北・後藤(横浜)や秋田経法大付・摂津(ソフトバンク)に勝った実力は伊達ではなかった。主将・幕田ら好打者の並んだ打線と長身左腕・芳賀の粘りの投球がかみ合った。見事だったのは2回戦の北照戦。2点ビハインドの9回に2アウト満塁のチャンスを作ると5番藤川が走者一掃のタイムリーで土壇場で逆転。抑え込まれていた北照の飯島を最後の最後に捕まえた。

芳賀は初戦は12三振の好投。2回戦以降は三振こそ減ったものの、長身からのクロスファイヤーを武器に準々決勝と合わせて3試合連続3失点完投勝利。敗れはしたが、準々決勝でも9回表に1点を返し、粘り強さを見せつけた。伝統校が底力を発揮した夏だった。

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大会No.1投手(2000年選抜) 香月良太(柳川) – 世界一の甲子園ブログ

九州王者・柳川は剛腕・香月(近鉄オリックスー巨人)がいかんなく実力を発揮。初戦の東海大仰星戦では速球と大きく割れるカーブの配合で11奪三振。打線も松尾・永瀬ら自慢の強力打線が打って、52で快勝。点差以上に実力差を感じさせる勝利だった。

2回戦では同じく好投手・川本(巨人)を擁する広陵と対戦。西の優勝候補同士の対戦は注目の1戦となった。序盤は香月が制球に苦しみ、苦しい展開に。しかし、レフト犬塚の好守にも助けられ、満塁で2度にわたり好打者穴水を三振にとるなど何とかしのぎ切った。すると、7回先に崩れたのは川本。胡子、犬塚のタイムリーで3点を先制。結局両チーム合わせて28残塁となった投手戦を香月が苦しみながら完封で制した。

だが、準々決勝の智辯和歌山戦は思わぬ展開に。エース香月は強打の智辯和歌山を武内のタイムリーによる1点に抑えたが、打線が智辯和歌山の左腕・白野の前にまさかの沈黙。再三得点圏に走者を進めながらあと一本が出ず、敗れてしまった。結局この大会で智辯和歌山打線を完全に封じ込めたのは香月一人。エースがいかんなく力を発揮しただけに、悔しい敗戦となった。

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MIZUNO : 栃木・作新学院高校ユニフォーム | Sumally (サマリー)

作新学院は21年ぶりの甲子園出場でベスト8進出。かつて春夏連覇や剛腕・江川で全国を沸かせた強豪校が存在感を示しなおした。初戦は愛知産業大三河と対戦。右サイドの2年生エース佐藤が丁寧な投球で試合を作ると、8回裏に5番長の満塁走者一掃のタイムリーなどで4得点を挙げ、試合を決めた。

2回戦では佐賀商業に先手を取られるも、足を絡めた攻撃ですぐに逆転。亀倉の満塁弾などで6得点を挙げ、重い速球が武器の佐賀商エース松石を打ち砕いた。佐藤は2試合連続の完投勝利。したたかな勝利でベスト8進出を決めた。

準々決勝では昨秋敗れた東海大相模と再戦。筑川を相手に食らいついたが、打線の層の厚さでやはり相模が一枚上手だった。しかし、久々の出場でしっかり勝ち進むあたりはさすが作新と思わせる戦いぶり。名門復活の春となった。

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異端の道…原点は神戸・阿部企業/馬淵史郎1 - 野球の国から 高校野球 ...

明徳義塾は常連校らしい戦いぶりでベスト8進出。昨選抜を越える成績を残した。初戦は好投手・亀井(巨人)を擁する上宮太子と対戦。亀井の速球に力負けせずにはじき返し、守備の乱れも絡んで5回までに4得点。上宮太子もさすがの反撃で1点差に迫るも、4番清水の打棒が爆発。7回の2ランを含む4打席連続の長打。サイクルヒットを超える大爆発で結局93と新鋭の優勝候補を一蹴した。

投手陣は昨年から経験のある三木田と増田が成長。特に昨夏の長崎日大戦でサヨナラワイルドピッチを投じてしまった三木田は体力・精神力ともに大きく成長し、上宮太子の強力打線を相手に要所を締めて9安打3失点で完投した。2回戦では神宮王者の四日市工業に打ち込まれたが、今度は増田が好救援。増田も昨選抜の海星戦で打ち込まれた悔しさを晴らす投球を見せ、打線の援護もあって87とルーズベルトゲームを制した。

準々決勝では鳥羽打線のパワーの前に力負けしてしまったが、昨年の課題を確実に快勝した選抜だった。左右の好投手に曲者の並ぶ勝負強い打線。夏も間違いなく優勝争いに絡んできそうなチームだ。

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九州学院はエース反頭が初戦は強打の享栄を相手に見事な完封勝利。打線もバントで効果的に加点し、80と初戦を快勝した。しかし、国学院栃木戦では終盤8回に逆転する理想的な展開も9回表に守備陣が信じられないミスを連発。動揺した反頭も流れを食い止められず、4点取って逆転した直後に4点を奪われて再逆転を許した。甲子園の魔物が顔をのぞかせた瞬間だった。

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同じく甲子園の魔物に飲み込まれたのが、北照。1回戦は自慢の強打が最後に火を噴いて、延長の末橿原の梅景を打ち崩して、記念すべき甲子園初勝利を挙げた。しかし、2回戦では右サイドの飯島が92アウトから満塁走者一掃の3塁打を浴び、まさかの逆転負け。好投を見せていただけに、継投のタイミングが難しくなった。3人の好投手と上村(オリックス)を中心とした強力打線で、昨年の神宮では香月擁する柳川にも快勝。充実した戦力を擁していただけに惜しい敗戦となった。

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そして、はたまた同じく終盤に痛い逆転負けを食らったのが、春に強い国士館の左腕エース小島(広島オリックス)。1回戦は高岡第一を寄せ付けず、3安打完封勝利。角度のある速球とスライダー、チェンジアップで相手打者を牛耳る投球は1回戦20得点の智辯和歌山にも確かに通じていた。それだけに8回表に相手4番池辺の打ち取ったあたりがファーストベースに当たって抜けていったのが何とも不運。これで集中力が切れたのか、以降も強打者が並ぶ智弁打線の餌食となり、なんと8回だけで8失点。よもやの大逆転負けを喫して、4年前の選抜のリベンジはならなかった。

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広陵はエースの川本(巨人)が1回戦は大車輪の活躍。いきなり2点を失う苦しい立ち上がりも以降は右サイドから切れのあるボールを内外に配して、決定打を許さず。終盤には自ら勝ち越し打を放つなどして、竜ケ崎一の好投手・染田を攻略した。2回戦は柳川の剛腕・香月と対戦。お互い再三ランナーを出しながら0点に抑えていたが、7回松尾の打ち取ったあたりが3塁打になると、我慢しきれずずるずると3失点。ついに柳川の強打に捕まってしまった。打線は再三ランナーを出すも13残塁で完封負け。4番に座る注目のスラッガー若林に2試合ヒットが出なかったことも響いた。しかし、2試合通じて全国上位の実力は見せつけ、夏に向けて楽しみなチームであることをしました選抜だった。

https://www.youtube.com/watch?v=3ChMqke-jOY

東洋大姫路は小柄な右サイドのエース山脇が好投。昨秋智辯和歌山打線を封じ込んだ実力者は甲子園でもテンポの良いピッチングを披露。内角を強気につく投球で秋田経法大付の好投手・摂津(ソフトバンク)との投げ合いを制した。打線も摂津から金谷・佐々尾がホームランを放つなどパワーを見せ、侮れない存在感を見せた。2回戦ではV校の東海大相模と接戦に。いきなり山脇が相手4番の今森に2ランを浴びるスタートもその後は踏ん張って投手戦へ持ち込んだ。打線も上位の米丸・鈴木・金谷を中心に筑川に食らいついたが、32とあと一歩及ばず。試合後悔し涙を流す選手たちを見て、藤田監督も夏への期待を膨らませていた。

https://www.youtube.com/watch?v=nmIrroVEbXk

佐賀商業は1回戦で大会屈指のスラッガー田中彰(オリックスー広島)擁する強打の創価と対戦。雨が降りしきる中、立ち上がりにエース松石の制球が乱れたが、4番田中を併殺に打ち取ると波に乗った。下位打線の活躍もあって着実に得点を積み重ねると、松石が重い速球を武器に好投。外野の好バックホームもあって、結局9回の1点のみに抑えて完投勝利を収めた。2回戦では守備の乱れもあって、作新学院にグランドスラムを浴びて敗れたが、1994年の優勝以来出場すれば、確実に1勝は挙げてくるあたりはさすが。V経験校が貫禄を見せた戦いだった。

https://www.youtube.com/watch?v=vDCrZXEwHys

昨秋の神宮優勝校の四日市工業は1回戦で好投手・横松(広島)を擁する戸畑と対戦。横松得意のストレートに力負けしない振りを見せ、自慢のシンクロ打法も威力を発揮した。制球難が危惧された左腕・秋葉も与四死球2で14三振を奪い、1失点完投。上々の滑り出しを見せた。しかし、2回戦では一転、明徳義塾を相手に不安定な投球に終始。大物うちこそ多くはないが、下位まで抜け目のない明徳打線につかまり3点のリードをもらいながら、結局8失点を喫して逆転負け。6四死球と制球も乱れてしまった。打線は4番佐藤を中心に佐野、大西、梅山らが強打を見せて力を示しただけに夏に向けてはエースの投球がすべてを握りそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=2Ighamr6dwU

68年ぶりの出場となった長野商業は1回戦で岩国と激闘を見せた。リリーフした2年生金子(オリックス)が好投を見せていたが、9回土壇場で岩国打線の反撃にあって2点のリードがフイに。さらに1アウト満塁でサヨナラ負けのピンチとなったが、なんとか踏ん張って延長10回の勝ち越し点につなげた。しかし、2回戦では鳥羽打線の力の前に金子が打ち込まれて配線。4番室川の1発などで鳥羽のエース谷口をよく攻めたが、86と及ばなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=0PSzwTkwL9c

初戦で敗れたなかで最も存在感を見せたのは、前年ベスト4の四国王者・今治西。東海大相模を相手に5点のビハインドを背負ったが、終盤7回に猛反撃。主将・池内のタイムリーなどで1イニングで振り出しに戻した。2年生右腕・堀元も終盤踏ん張っていただけに延長10回のサヨナラ暴投はもったいなかったが、それでも好投手・筑川から13安打を放った打力は素晴らしかった。

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上宮太子、育英の近畿の優勝候補はそろって初戦敗退。ともに持っている力を出し切れずに敗れてしまった。本番で実力を出す難しさを改めて感じさせられる展開となった。

また、強力打線と評判だった享栄、創価の2校はともに九州勢のと対戦も初戦敗退。好投手を打ち崩せぬまま敗れてしまったが、夏にリベンジを誓う。

初戦で敗れはしたが、竜ケ崎一・染田、秋田経法大付属・摂津(ソフトバンク)、橿原・梅景らは好投を見せた。特に摂津は2ホームランを浴びはしたが、速球の威力は大会でも指折りの存在だった。

逆に戸畑・横松(広島)、埼玉栄・榎本は力を出し切れずに敗れてしまい、残念な結果になったが、夏に向けて楽しみな投手であった。

岩国、愛産大三河の2校はともに終盤まで接戦を演じたが、一歩及ばず。甲子園初勝利は夏に持ち越しとなった。また、東海大仰星も初勝利こそならなかったが、V候補・柳川を相手によく食らいつき、終盤はあわやの展開を見せた。

敦賀気比の出場辞退により急遽出場が決まった高岡第一は国士館・小島の前に及ばず完封負けも20と接戦を演出。嶋崎の好投が光った。

丸亀は智辯和歌山の猛打の前に大量20失点。ディフェンスに課題が残ったが、最後まであきらめずに8点を奪った攻撃は夏につながるものとなった。

伝統校・南陽工は初戦で東北王者の福島商と対戦。4番・吉村の一発などで中盤まで接戦を演じたが、最後は地力の差を見せられてしまった。夏は岩国と1枚しかない夏の代表切符を争うことになる。

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