浦和学院の初優勝に沸いた選抜から4か月。2013年の主役になるはずだった松井裕樹は神奈川大会予選で敗退してしまったが、やはり今年の主役は関東勢になりそうな予感。1人のスターの存在によって地区全体のレベルが引きあがった感じだ。もちろん他の地区も黙ってはいないだろう。しかし、顔ぶれを見ると全体として東高西低になりそうだ気はする。
また、今大会から1回戦、2回戦と終わるたびに抽選を行う「毎回抽選」が復活。先の読めないトーナメントとなり、面白さは倍増するだろう。
浦和学院は選抜で念願の全国制覇。今度は史上8校目の春夏連覇を狙う。エースの小島は埼玉大会の準々決勝で完全試合を達成。選抜のころからさらに成長し、もはや貫禄すら出てきた感がある。力の抜けたテイクバックから投げ込むボールは切れがあり、巨人の杉内を連想させる。右打者の内角を容赦なくついていき、付け入るスキを与えない。スライダーの切れも増すばかりだ。2番手の山口も長身からのストレートに威力がある。打線も活発で埼玉大会決勝では16得点。破壊力抜群だ。1番竹村、3番山根、4番高田は4季連続の甲子園。俊足の竹村はショートの守備でも深い位置の打球に追いつき刺すことができる。3番山根は抜群のキャプテンしーを発揮。4番の高田は選抜で3試合連続のホームランを放った。その後に続く木暮、西川も打撃はよくヘッドスピードの速さは大会でも上位に入る打線だ。また、1年生ながらレギュラーの座をつかんだ津田にも注目だ。県大会では少し湿りがちだったが、決勝を見るように上り調子。本番で本領を発揮すれば埼玉勢初の夏の優勝を成し遂げられるだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=8mg872RatlI
その浦和学院といきなり初戦で当たることとなった秋の王者・仙台育英も優勝を狙う力を秘める。軸になるのは4番の上林(ソフトバンク)。選抜でワンバウンドのボールをヒットしたように抜群のバットコントロールを光る。頭が動かずにしっかりボールを見て捕らえることができ、広角に打ち返す。足も速く、今大会でも最注目の打者だ。脇を3番長谷川、5番水間と長距離砲が固める打線は浦和学院とも十分張り合える打線だ。不調で苦しんだ1番の熊谷の復調が鍵となる。投手陣は力のある右投手2人、鈴木と馬場が先発もリリーフもこなせる。ともに140キロを超す真っすぐに力があり、変化球のいい鈴木、真っすぐの球威で押す馬場と持ち味も異なる。問題は守備。宮城大会では準々決勝と決勝で初回5失点したが、どちらもエラーがらみ。何と12の失策を記録した。投手の失点が15で自責点0という珍現象だ。県大会では取り返せた失点も甲子園では取り返すのは難しい。投打ともポテンシャルは高いだけに優勝できるかは1にも2にも守備の整備にかかっているだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=lH6iCAf99G4
西の優勝候補の一番手は昨夏の王者・大阪桐蔭になるだろう。この1年間、秋・春と連敗していた宿敵・履正社を相手に決勝で見事リベンジを達成。大会では準々決勝の上宮太子戦の8-6など苦戦が続き、コールドゲームも少なかったが、勝ち上がる中で力をつけていった。中心となるのは3番捕手の森友哉(西武)。ボールにコンタクトする能力は過去の大阪桐蔭の中でもNo.1と西谷監督が絶賛する選手だ。今年の大阪桐蔭は森を筆頭に長打力なら昨年を上回る面々だ。4番の近田はスイングスピードの速さは桁外れ。その他にも打率は低いが復調気配の福森や甲子園通算3ホームランの笠松が下位に座る打線は脅威。1番峯本や8番水谷ら小技の使える選手もおり、打力は決して昨年に劣らないだろう。問題は投手力。エース葛川は横手からの140キロ台の真っすぐに力があるが、変化球が少なくどうしても真っすぐに頼りがち。森の配球でどれだけ変化球を有効に使えるかがカギだ。左腕網本や速球派高西と枚数はあるが安定感は心もとない。本番は葛川で行くことになるだろう。連覇のプレッシャーもあるだろうが、宿敵・履正社に勝利して波に乗っているのも事実。勢いに乗って駒大苫小牧以来の夏連覇を狙う。
https://www.youtube.com/watch?v=_4GFBZ5mx3g
注目の左腕・松井裕樹を攻略した横浜も勢いに乗っている。今大会の神奈川は打倒・松井の夏であり、強豪・東海大相模や好左腕斎藤を擁する桐蔭学園や同じく好投手・熊谷を擁する平塚学園など強豪がひしめいていた、最後に頂点を極めたのは名門・横浜であった。スタメンの8人を2年生が占めるが、力は決して3年生に劣らない。なにせ横浜高校に入ってきた3年生を蹴落としてスタメンを勝ち取っているのだ。特に、3,4番の浅間、高濱(ともに日本ハム)は松井裕樹からそれぞれホームランを放った。高濱はチェンジアップをバックスクリーンへ、浅間はスライダーをライトスタンドへ運んだ。昨夏、今春と2連敗中だったライバルに対して研究に研究を重ねてようやくリベンジを果たした。その他にも松崎や渡辺(監督の孫)ら左の好打者を並べており、得点力は高い。エース左腕の伊藤は切れのある変化球を低めに集めて決勝では完封勝利。頼れるエースだ。3年生主将の長谷川が苦労してチームをまとめ、苦しんでたどり着いた甲子園。目標はもちろん3度目の夏優勝だ。
https://www.youtube.com/watch?v=HnrNWURxxWo
2年前の夏の覇者・日大三は2年ぶりの優勝を目指して甲子園の舞台に挑む。エースの大場は身長は167㎝と小柄ながら140キロ台中盤の真っすぐを投げ、スライダー・カーブも低めに制球する。決勝では都立の強豪・日野を相手に2安打完封。スコアは5-0だったが、スコア以上に力の差を感じさせる大場の投球だった。打線は体格のいいパワーヒッターが並び、2年前の強力打線と比べてもそん色ない。特に3番の森は昨年は怪我で苦しんだが、復帰後は広角に打ち分ける打法でチームを引っ張った。その他1番河津や4番佐々木ら昨年甲子園を経験したメンバーも残り、西東京大会ではほとんどがワンサイドゲーム。昨夏は聖光学院の前に初戦敗退に終わったが、1年経て洗練されたチームに仕上がってきた。初戦は日大山形との兄弟校対決となったが、まずは昨年果たせなかった初戦突破を果たし、2年ぶりの全国制覇を狙う。
https://www.youtube.com/watch?v=SnQs1Vh1Tc8
選抜準優勝の済美は剛腕・安楽を擁して夏の頂点を狙う。選抜後、疲れをとるために投球を控えていた安楽はその間、徹底した走り込みで下半身強化を行い、太もも周りはさらにたくましさを増した。愛媛大会では157キロを記録。昨年敗れた今治西に決勝でリベンジを果たして優勝を飾った。夏、再びあの剛球が披露される。3年生捕手・金子の強気のリードも見もの.。変化球で打たせて取る投球もうまくなった。攻撃は往年の済美のような強打はないが、確実にバントで送って勝負強い打撃で返していく。4番の長距離砲・安楽の周りを打つ3番宇佐川、5番太田の勝負強い打撃に期待したい。選抜では4試合連続で終盤の競り合いを制したようにチーム打率以上に怖さがある。守備はショートで送球に難があった宇佐川をセカンドにコンバートして、失策数が減少。堅い守りで安楽を助ける。攻守にいかに大黒柱の負担を軽くできるかが重要になってくるだろう。幸い2回戦からの登場となり、日程的には有利。2004年に目の前で逃した夏の優勝旗を今度こそ取りに行く。
https://www.youtube.com/watch?v=ARgzUZa2yR4
この5チームを追う強豪校は数多い。昨年と違い、どこが勝つかはなかなか読みづらい。
済美と四国でしのぎをけずる明徳義塾は4年連続の甲子園出場。県大会決勝では選抜4強のライバル高知を相手に3年連続の1点差勝利を収めた。4番でエースの2年生岸潤一郎は右打者の内角をつけずに苦労していたが、一度サイドスローに転向するなどして課題を克服。質の高い真っすぐを武器にカットボ―ル、スライダーで相手を牛耳る。打線は馬淵監督が「今年はスモールベースボール」というが3~6番に逸崎、岸、西岡、宋と昨年からの経験者が並ぶ打線はなかなか威力がある。逸崎、西岡はチャンスに強い打撃で走者を返し、昨夏の甲子園の準々決勝で1発を放った宋は真っすぐにはめっぽう強い、例年通り守備も鍛えられており、走攻守にすきの少ないチームだ、昨秋は高知南の左腕にひねられてまさかの敗退を喫したが、夏にむけてしっかり仕上げてきた。まずは昨夏のベスト4に並び、2度目の全国制覇を狙う。
https://www.youtube.com/watch?v=az64X2OZizM
3年連続出場の作新学院には3番捕手として3年連続の出場となる山下がいる。攻守にわたってチームの要となっており、エース左腕渡辺の技巧をうまく引き出す。今年度の栃木をリードしてきた佐野日大との1戦では左の好打者の多い相手打線をリードと強肩で引っ張って封じ込めた。打線では1番小林が出塁率が高く、走塁も巧み。相手のすきを逃さない。打線を引っ張り、クリーンアップの山下・中村で返す。また、頼もしい1年生の朝山・添田も加入。朝山は140キロ台のストレートでリリーフを務め、2番の添田は左打席からの巧みなバットコントロールで巧打を量産する。決勝では9回に1,2番の活躍で逆転し、青藍泰斗をうっちゃった。守備ではセカンドを守る山梨の再三にわたる攻守が光る。守備範囲が広く、捕手・山下も全幅の信頼を寄せる。また、攻撃的な野球が持ち味の若い指揮官・小針監督の采配にも注目だ。近年躍進著しい北関東勢の中でも屈指のタレント集団が3年連続のベスト8以上を虎視眈々と狙っている。
https://www.youtube.com/watch?v=V1e8GD1L6uA
常総学院は3季連続の甲子園出場。茨城大会で4ホームランを放った4番内田(楽天)は大会屈指の長距離砲だ。決勝の霞ヶ浦戦ではライトに流してサヨナラホームラン。速いスイングスピードで広角に打ち分けることができる。捕手としても強肩で相手の走者を塁上にくぎ付けにする。捕手はもう一人、吉成も務めることができ、戦略的なオプションの多い、洗練されたチームだ。エースの飯田は左肩の開きの少ないフォームから角度のあるボールを内外に投げ分ける。特に右打者のインコースへしっかりと投げ込めるのは大きな武器だ。1番の高島は俊足巧打のトップバッターで、逆方向へも強い打球をはじき返す。中心メンバーは昨夏、今春と甲子園の舞台を踏んでおり、経験は豊富。昨夏は松井裕樹、今春は濟々黌の大竹と好左腕を前に苦渋を飲まされただけに1回戦で当たる北照の好左腕・大串を攻略してまずは波に乗りたいところだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VEvazRa32uw
その北照は春夏連続の甲子園出場。又野、西田(ともにヤクルト)を擁した時以来の夏の甲子園を決めた。南北海道大会決勝では復活を目指す王者・駒大苫小牧を相手に4-4の9回に一挙6得点。春の全道大会で敗れた借りを見事に返した。エースの大串は屈指の技巧派左腕。決して球速・球威が突出しているわけではないが、直球・変化球ともコントロールよく内外に投げ分け、配球も巧み。2年時からエースを務めており、経験豊富なマウンドさばきで捕手・小畑とのコンビで相手を打ち取っていく。選抜ではインコースを突き切れずに準々決勝で浦学に大敗を喫したため、リベンジに燃える。2番手の斉藤(オリックス)も142キロを計時する好左腕だ。打線の軸は3番吉田(オリックス)。センスの光る好選手で左打席からの巧みなバットコントロールが持ち味。左投手も苦にせず、逆方向にもしっかり打ち返せる。注目の好打者だ。その他にも小畑、富田ら右の強打者が並び、打力は高い。神宮4強、選抜8強と安定した力を発揮してきたチーム。夏の初戦は手ごわい相手となったが、それを乗り切って波に乗り、駒苫以来の北海道勢優勝を果たしたい。
https://www.youtube.com/watch?v=sre0q7K86Hk
夏の全国大会にはこれまで無縁だったが、評価が高いのが前橋育英だ。全国で目立った成績を残しているわけではないが、公式戦では選抜王者の浦和学院に2度敗れたのみ。群馬県では1年間負けなしで野口・駿汰(オリックス)を擁した2010年の前橋商以来の快挙を達成した。2年生エースの高橋光成(西武)は長身から肘のしなりの効いた投げ方で最速148キロをマークする本格派。試合の中での修正能力も高く、大崩れしない投手だ。1回戦での岩国商の高橋との「高橋」対決は大会屈指の左右の好投手の投げ合いとなるだろう。打線は4番に監督の息子の荒井海斗が座り、チームを引っ張る。ヘッドスピードが速く、アウトコースの打球にはめっぽう強い。親子鷹での快進撃を狙う。1番俊足の2年生工藤の出塁もカギ。そして、このチームのなによりの強みは守備力の高さ。一歩目が速く強い打球を再三さばける内野守備の技術は目を見張るものがある。堅守で2年生エースを盛り立てて快進撃を見せたい。
https://www.youtube.com/watch?v=cUu38iqNnVs7
常葉菊川も春夏連続の甲子園出場。選抜では報徳の好投手・乾を攻略するなど2勝を挙げ、春の東海大会でも優勝。自慢のフルスイングで2008年以来の上位進出を狙う。3番の遠藤はチャンスに強く、特にストレートにはめっぽう強い。1番の登地はドアスイングながら強烈なスイングで相手に圧力をかける。下位には2年生スラッガーの桒原が座り、相手は息が抜けない。走塁も例年通り鍛えられており、積極的に走る。投手陣はエース堀田や渡辺竜ら投げっぷりのいい投手が多く、角度のついた真っすぐで押していく。堀田はフォークボールも駆使して三振が奪うことができ、安定感はチーム1だ。持ち味の走塁とフルスイングで1年間通じて上り調子になってきたチーム。勢いに乗って優勝を目指す。
https://www.youtube.com/watch?v=MYYx92U4quw
選抜ベスト8の聖光学院は春夏連続の上位進出を狙っている。福島大会はなんと7連覇。県内では敵なしの状況だ。4番を務める園部(オリックス)は昨夏・今春と2季連続でバックスクリーンにホームランを放っている。威圧感のある体格から引き付けて打ち返す腕っぷしの強さは大会でも注目の強打者に数えられるものだ。園部の前を打つ八百板らがいかにチャンスメークできるかがカギとなる。園部以外は特別スター選手がいるわけではなく、元来の聖光学院らしい足を絡めた攻撃を見せていきたい。2年生のエース左腕・石井成はストレートと多彩な変化球のコンビネーションでリズムよく打たせて取る。選抜で敦賀気比のクリーンアップに攻略され、球威を増すためトレーニングを積んできた。もう一人の3年生左腕の今は強気の投球が持ち味で、石井にライバル意識を燃やす。聖光学院らしい全員野球でまずはベスト8を目指す。
https://www.youtube.com/watch?v=KyzbIq06EvQ
瀬戸内は広島新庄との広島大会決勝で史上初の引き分け再試合を制して13年ぶりの夏の甲子園出場。エースの山岡(オリックス)は大会最注目の投手だ。145キロを記録する真っすぐもさることながら、ウィニングショットのスライダーの威力はすさまじい。バッターの手元で鋭く大きく変化するボールはバッターがとらえきれない。決勝では延長15回1安打完封。再試合でも完封勝利で実に24イニングを無失点に封じた。初戦の試合巧者・明徳との試合は大会注目の好カードだ。打線は1番北吉、3番沖繁が鍵。広島大会終盤は広陵・下石や広島新庄・田口(巨人)との対戦が続き、打線は湿ったが、力はないわけではない。機動力も絡めることができ、力のある上位打線で得点を奪いたい。絶対的エースを擁し、まずは初のベスト8を目指す。
https://www.youtube.com/watch?v=VeA_9JgOxOY
沖縄尚学は秋の九州王者として臨みながらも選抜の開幕戦で敦賀気比に大敗を喫した。守備の乱れもあって初回に喫した大量失点を反省し、もう一度守りの見直しを図った。捕手・具志堅はピンチの場面でも平常心を保てるように投手陣とのコミュニケーションをよくとるようになった。投手陣は比嘉・宇良の左右二本柱に加えて、2年生の本格派・山城も加わり、厚みを増した。打線はトップバッター諸見里が出塁率が高く、高い身体能力を誇る。4番のパワーヒッター柴引や5番の2年生西平ら力のある打者が並ぶ。選抜では大量リードを許して、敦賀気比・岸本に余裕を持って投げられてしまったが、今大会は力を発揮したい。初戦の相手が福知山成美と再び強敵を相手にすることになったが、今回は初戦突破し、同校初の夏2勝も狙いたい。
https://www.youtube.com/watch?v=b6V1i9MIcYU
その福知山成美は好投手・仲村渠(なかんらかり)を擁して2006年以来の夏の甲子園を決めた。今年の京都は選抜出場校の京都翔英・龍谷大平安がおり、近畿でもレベルの高い地区だったが、仲村渠が京都翔英の榎本との投手戦を1-0で制した。仲村渠は分厚い胸板を誇り、威圧感がある。下半身主導の投球フォーム時は安定感がある。140キロ台中盤のストレートをアウトコースいっぱいに投げ込み、調子のいい時は打たれる気配がない。スライダー、チェンジアップを低めに集められるかがカギとなるだろう。6番に座る打撃でもパンチ力を秘め、クリーンアップの後に残ったランナーを返す。2番に座る桑原はDeNAにプロ入りした兄に負けない俊足とセンターの好守備でチームを支える。4番に座る坂本は長打力を持つ。田所監督らしい攻撃野球を見せ、上位に進出したい。
https://www.youtube.com/watch?v=GEEqEi0A534
鳴門は4季連続の甲子園。自慢の渦潮打線は経験豊富な打者が並び、いよいよ成熟の時を迎えつつある。4番の伊勢、7番の松本はともに1発のある長距離砲。大砲を2枚用意し、その合間を好打の左打者・5番稲岡や昨春選抜の作新学院戦でサヨナラヒットを放った6番・日下がつなぐ。3番には同じく昨選抜の洲本戦でサヨナラ打を放った3番・河野が座っており、つながりの良さは抜群だ。エースの板東は細身の体ながら切れのある真っすぐ・変化球を投げ、昨秋と比べると格段の成長を遂げた。後を投げる投手がいないのが不安だが、森脇監督は彼と心中する覚悟だ。昨夏はまさかの初戦敗退だったため、まずは初戦突破したのち、上位進出を狙う。
https://www.youtube.com/watch?v=U7mkuKrP5K0
大垣日大は2年生主体のチームながら阪口監督はチーム力に自信を見せる。岐阜大会の準決勝では選抜ベスト8の県岐阜商に競り勝ったように力を持っている。2年生のエース高田は切れのあるスライダーを低めに集め丹念に打たせて取る。左肩の開きの少ないフォームでストレートには球速以上の切れがある。見た目は華奢にみえるが、打ちにくい投手だ。打線は上位に内藤、滝野、大久保と2年生ながら強打の左打者が並ぶ。阪口監督も来年を見据えた自身の布陣を引く。
初戦は開幕戦となったが、緊張にさえ飲まれなければ十分上位を狙う力はある。
https://www.youtube.com/watch?v=kzku07503KA
激戦区・千葉を2年連続で制した木更津総合。千葉県連覇は1996年~1998年の市立船橋以来実に15年ぶりの出来事だった。専大松戸、習志野と強豪校相手に連続で1点差勝利を収めた粘り強い戦いが武器だ。エースは2年生の千葉。昨夏も甲子園のマウンドを踏み、経験を積んできた。130キロ台のストレートとスライダー、カーブを丁寧に低めに集めて打たせて取る。打線は下位打線が好調。5~8番の寒河江、逆井、秋葉、桧村でよく得点を挙げた。桧村は1年生ながらショートで起用。抜群の身体能力を誇る期待のルーキーで勝負強い打撃も光る。昨夏は初戦で優勝した大阪桐蔭に力の差を見せつけられて敗退。激戦区でもまれた実力を見せたい。
https://www.youtube.com/watch?v=0e-D617Aa70
花巻東は昨選抜以来の甲子園。注目は3番の岸里(日本ハム)。投げてはMAX146キロ、打ってはシャープなスイングで長打を放つ。一つ上の先輩大谷翔平(日本ハム)と同じく2刀流で勝負できる。注目の選手だ。今大会は菊池(西武)、大谷のような注目のエースはいないが、岸里含め中里、細川、河野とタイプの違う左右の4投手の継投で勝負する。打線のキーマンは2番の千葉翔太。2009年の佐藤涼平のようにファールで粘るカット打法で相手に球数をなげさせる。クリーンアップに相手を疲弊させてつなぐ実にいやらしい2番バッターだ。もちろん花巻東の持ち味の走塁とカバーリングも鍛えられている。今回はスター選手こそいないものの、全員野球で戦う総合力の高いチームだ。
https://www.youtube.com/watch?v=tzwmK38xDk0
初戦でぶつかる樟南と佐世保実はともに山下、木下という好左腕を擁する。樟南は4番捕手主将の緒方を中心に伝統のバントを駆使した攻撃で主導権を握りたい。佐世保実は2年連続出場の経験を活かせるか。清峰時代に好左腕を育てた清水監督は今回も好左腕を育て上げてきた。
https://www.youtube.com/watch?v=Ix_GFUKGQzU
日大山形は4番ショートの奥村(巨人―ヤクルト)を擁す。県大会では5割を超す打率を残した。足を高く上げて豪快なフォロースルーで引っ張れる左打者だ。俊足で2塁打を3塁打にする足も持っており、今大会注目のショートだ。その他にも青木、峯田、吉岡と上位に左の好打者が並ぶ。投手陣は庄司、佐藤和、斉藤の継投で乗り切る。
https://www.youtube.com/watch?v=yEkqKviQBAA
熊本工はエース左腕・山下が全試合を完投。昨秋九州大会で優勝した沖縄尚学を最も苦しめた左腕。今年の熊本大会は文徳のノーヒッター本田や濟々黌の左腕・大竹など好投手がひしめいていた中で最後は山下が主役となった。短いテイクバックから切れのある真っすぐ・変化球をコーナーに投げ分ける。不振だった2年生4番工藤の復調に期待したい。
https://www.youtube.com/watch?v=so_ASLcORyA
修徳は激戦の東東京大会を打力と継投で制した。3番センター飯野は怪我の影響が心配だが、抜群のキャプテンシーを発揮してこれまでチームを引っ張ってきた。シュアな打撃で勝利に貢献したい。投手陣は西林、桜井、遊佐と技巧派投手をつなぐ。総合力の高いチームだ。
https://www.youtube.com/watch?v=zLKoVqty_iw
箕島は故・尾藤公監督の息子の尾藤強監督が初めての甲子園に導いた。エースの須佐美はアウトローのコントロールに定評のある好右腕。和歌山大会を圧倒的な強さで制し、期待が持てる。伝統のバント攻撃を見せられるか。
https://www.youtube.com/watch?v=bgz-_vfTNl0
その箕島と初戦でぶつかる山梨・日川はおそらくは同校史上最もパワフルなチームで甲子園出場を決めた。エースの山田は194㎝の長身から投げ下ろす140キロ台中盤の真っすぐに威力があり、決め球のフォークボールで三振が奪える。4番の山形は強豪校の4番と見比べても見劣りしない体格で右方向へも長打を打てる。これまでのスモールベースボールと一線を画した野球で甲子園初勝利を狙う。
上田西は浦野・柳沢の2枚エースを擁して守りの野球で甲子園を勝ち取った。決勝では強打者・小川を擁する昨夏の覇者・佐久長聖を相手に完封勝利を飾った。1番俊足のトップバッター武田の機動力にも注目だ。
https://www.youtube.com/watch?v=WHi18i6eoC4
注目投手では富山第一のエース宮本、愛工大名電の左腕・東、選抜4強の敦賀気比の強力打線を封じた福井商・中村、西脇工業の本格派・翁田、選抜で履正社を完封した岩国商業の左腕・高橋、有田工業の148キロ右腕・古川(楽天)が挙がる。
https://www.youtube.com/watch?v=ZDRK99YOlGA
西脇工業は駅伝の名門校ながら育英、東洋大姫路と名門校に競り勝ってきた。エースで4番の翁田を中心に力はある。日本文理は2年生中心ながら村上桜丘の好投手を決勝で打ち崩して買ってきた。初戦の大阪桐蔭を食う力は持っている。
https://www.youtube.com/watch?v=_D6WsQsIhUA
2年生投手では日本文理の飯塚(DeNA)、星稜の岩下(ソフトバンク)、大分商の左腕・笠井も注目だ。
玉野光南は岡山大会で優勝候補の大本命だった関西の左腕・児山を打ち崩した。先発・星の粘りの投球と3番・藤本、4番・佐藤の中軸に期待したい。
https://www.youtube.com/watch?v=GWMVuh6qOFI
弘前学院聖愛は右横手のエース小野と3,4番の一戸、成田と軸はしっかりしている。近年青森の上位をにぎわせていたが、ついに壁を破って出場を決めた。
三重高校は1番好打者浜村が出塁し、長野・宇都宮の2年生の中軸が返す。初戦で当たる済美の安楽攻略に自信を見せる。
延岡学園の4番岩重は1年生から出場していた監督期待のスラッガー。宮崎大会でも大事な場面でホームランを放った。
https://www.youtube.com/watch?v=9viZEfOf_OM
自由が丘は夏は初めての甲子園。技巧派左腕・久保の好投でロースコアの展開に持ち込みたい。
鳥取城北は2年連続の甲子園出場。2年連続の初戦突破へ1,2番の田中、平山が熊工・山下をかき回していきたい。
石見智翠館は江の川から校名変更後、初の甲子園。左腕エース田部が踏ん張って接戦に持ち込みたい。
秋田商業は右下手のエース佐々木の投球に期待。2006年のエース佐藤洋のような投球ができるか。
丸亀は2年連続準優勝に甘んじていたが、3度目の正直で甲子園を決めた。昨夏最後の打者となった1番主将車谷が突破口を開く。
帯広大谷は初めての甲子園。ヤクルト入りした杉浦先輩に勝利の報告を届けたい。
彦根東のスタンドを真っ赤に染める応援は見もの。
奈良・櫻井は斑鳩を2度甲子園に導いた森島監督の人間力野球で奈良の公立校として郡山以来13年ぶりの出場を決めた。好左腕・竹野や1年生4番・横山ら粒ぞろいのメンバーだ。
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