2021年選手権甲子園大会前ブロック別予想

2021年

Aブロック

勝ち抜き予想:京都国際

実力校4校がしのぎを削る激戦ブロックだ。京都国際は選抜ではあと一歩で8強入りを逃したが、エース左腕森下が成長し、打線も勝負強さを兼ね備える。健大高崎との激闘を制してきた前橋育英とは、ハイレベルな守り合いが展開されそうだ。経験値でやや京都国際が上を行くか。

二松学舎大付西日本短大付の試合も秋山と大嶋の2人が本調子ならば、守り合いになるか。大嶋がやや好不調の波が激しいため、崩れると二松学舎の一方的な展開もあり得る。秋山が西短の林直、三宅ら中軸のインサイドをどれだけ強気につけるかがカギになりそう。

Bブロック

勝ち抜き予想:智辯和歌山

総合力で智辯和歌山が頭一つ抜けているか。市立和歌山・小園という大きな壁を越えたことで打線は自信をつけているだろう。県大会では本領発揮できなかった4番徳丸の爆発に期待。宮崎商は選抜の天理戦に続いて近畿の強豪との対戦となった。エース日高が智辯和歌山打線の猛攻に耐えられるか。打線は打率1割台に終わった3番中村、5番西原に復調に期待。

作新学院高松商も好カード。作新学院は優勝した2016年で尽誠学園と対戦したのに続いて、香川勢との対戦となった。北関東のタレント軍団は今年も結局果敢な攻撃が持ち味。初回から先行してペースを握りたい。一方、高松商も攻撃力に自信を持つが、こちらは逆転につぐ逆転で勝ち上がってきた。チャンスで主砲。浅野につなげるか。先行する作新を高松商がひっくり返せるかという展開が予想される。

Cブロック

勝ち抜き予想:敦賀気比

常連校4校が揃ったハイレベルなブロック。強豪同士のつばぜり合いが展開されそう。

敦賀気比日本文理はともに北信越で手の内を知り尽くしたもの同士の対戦となる。敦賀気比は選抜では常総学院に延長で惜敗したが、大島・前川の左の好打者を中心に打力は全国でもトップクラス。対する日本文理も大井監督時代からの奔放に打ちまくるスタイルは変わらず、新潟大会を圧倒した。エース田中にかかる比重が大きい日本文理に対して、複数のエース級を揃える敦賀気比がやや有利か。

樟南三重の対戦も好カード。樟南のエース左腕西田をチーム打率5割を超える三重の強力打線がとらえられるかが見もの。三重としては自軍の投手陣と樟南の手堅く力強い攻撃陣を考えると、西田攻略は必須条件となる。

Dブロック

勝ち抜き予想:浦和学院

森監督が勇退となる浦和学院が一歩リードか。49校目の登場という条件がネックだが、投攻守の安定感で上回る。投手も務める1番吉田巧の働きに注目。

開幕戦は米子東日大山形の強力打線対決。ともにチーム打率は高く、中軸は一発の魅力を秘める。米子東は太田、日大山形は佐藤とそれぞれのキーマンを投手陣が抑えられるか。エース船木佑が怪我明けの米子東に対して、4人の投手陣を持つ日大山形がやや有利か。

石見智翠館弘前学院聖愛の戦いは聖愛の強力打線を石見智翠館のエース山崎琢が抑えられるかが焦点になりそう。山崎琢は変化球を低めに集めて打たせて取る投球で聖愛の一発攻勢を阻止したいところだ。

Eブロック

勝ち抜き予想:広島新庄

V候補が顔をそろえた死のブロック。選抜8強の智辯学園と機動力野球の広島新庄が中心となる。選抜で対戦した両校は勝ち上がれば2回戦で激突するが、左腕・西井が成長した広島新庄が春以降の伸びしろでやや上回るか。

広島新庄の初戦は横浜との対戦となるが、花田、秋山と3人の好投手を擁する投手陣相手では横浜の100安打打線も簡単に得点は望めそうもない。横浜はエース金井が復調するまでそのほかの投手陣が踏ん張りたいが、左打者中心にかき回す野球の広島新庄を止めるのは容易ではない。

智辯学園倉敷商の好左腕・永野に対して県大会同様にセンター返しの基本に忠実な打撃を貫けるか。西村、小畠の2枚看板も安定している智辯学園が総合力で倉敷商の上を行きそうだ。

反対の山では日本航空静岡がそれぞれやや優位か。

日本航空は188㎝の左腕・ヴァルデナを中心に分厚い投手陣を形成。4ホームランを放った和田を6番に置く打線も得点力は高い。初出場の東明館は2年生エース今村の踏ん張りが絶対条件だ。

静岡新田の対戦は投打のバランスで静岡がやや上回るか。長身右腕・高須の角度のあるボールに対して、新田打線がどう対応するか。新田としては4番古和田にかかる比重をほかのメンバーが減らしていきたい。打線もいい静岡が手堅く試合を進めないように、新田は立ち上がりから好投手・高須に仕掛けていきたい。

Fブロック

勝ち抜き予想:愛工大名電

中部地区の強豪を中心に東日本勢が固まったブロックで、唯一西日本である試合巧者・明徳がどこまで勝ち上がれるか。総合力で愛工大名電が頭半個分リードしているか。

初出場の東北学院にとっては初戦の愛工大名電はかなり高い壁となる。愛知のライバル校の速球派投手を軒並み打ち崩した名電打線をエース伊東がどう封じ込めるか。名電の細かい攻撃に惑わされずに、打線が田村・寺嶋の好投手2人からワンチャンスをものにしたい。

高岡商松商学園は北信越同士のつぶし合いとなった。機動力の光る松商学園に対して、ここ数年全国で力負けしなくなった高岡商打線が迎え撃つ。松商学園・栗原、高岡商・川淵の両エースがどこまで踏ん張れるか。また同地区同士で互いを良く知る監督同士の駆け引きも見もの。

反対の山では県岐阜商明徳義塾という高校野球ファン垂涎の好カードが実現。複数の好投手を鍛治舎監督が操る県岐阜商に対して、明徳義塾の細かい攻撃がどこまで通じるか。明徳の代木が本調子ならばそう多くの得点は望めず、3点勝負の接戦となるか。

明桜帯広農は剛腕・風間と帯広農の強力打線の激突。何か、2009年選抜での鵡川の強力打線vs花巻東の剛腕・菊池雄星(マリナーズ)を思い起こさせる北国対決だ(結果は雄星が完封勝利)。風間はストレートだけでなく、変化球の精度も一級品。帯広農打線としてはカウントを取りに来るボールは逃さずとらえていかないと勝機は薄いだろう。

Gブロック

勝ち抜き予想:明豊

明豊神戸国際大付北海専大松戸の春夏連続出場組が中心となりそう。

北海神戸国際大付はここ5年で3度目の対戦となる。過去2度はいずれも神国が勝利しており、北海はリベンジに燃える。左腕・木村は150キロを超す速球で打者の懐を強気に突く投球が持ち味。ただ、選抜と比べてエース阪上が投打に復調した神国はチーム力がワンランクアップしており、木村が北海道大会終盤のように打ち込まれると、苦しくなる。

小松大谷高川学園の対戦は高川学園の好左腕・河野を小松大谷の打線が打ち込めるかにかかっているだろう。上位打線を中心に強力な小松大谷打線が河野のキレのあるボールをとらえきれるか。また、機動力に優れた高川学園の攻撃を小松大谷の「ID野球」が封じれるかもカギとなる。

反対の山では明豊専大松戸がこれまた1回戦屈指の好カード。エース深沢に託す専大松戸に対して明豊は多彩な投手陣を擁する。打線は吉岡、奥田を擁する専大松戸、米田、黒木を擁する明豊と、ともに左の好打者が並び、互角の展開か。サイド右腕の専大松戸・深沢が明豊の左打者をどうしのぐか。また、明豊の川崎監督の継投のタイミングもカギを握る。

長崎商熊本工はお隣さん同士の九州対決。九州王者・大崎との守り合いを制した長崎商に対して熊本工の強力打線がどう突き崩していくか。熊本工としては多少の失点は覚悟のうえで打ち合いに持ち込めれば強みを発揮できそう。長崎商は堅い守りで各イニングを最少失点で切り抜けていけば勝機は十分に見える。総合力でやや熊本工に分があるか。

Hブロック

勝ち抜き予想:大阪桐蔭

大阪桐蔭東海大菅生という初戦屈指の好カードが実現。この試合を制した方が、ブロックの中心になりそうだが、総合力でやや大阪桐蔭が上回るか。ただ、例年に比べて少し攻撃の淡白さが出ることもあり、菅生の左腕投手2人が打たせて取る投球で封じていけば、面白くなる。勝負強い菅生打線と大阪桐蔭の左腕・松浦の対戦も見もの。

近江日大東北は投打ともに少し近江がリードしているか。速球派投手を2人擁する投手陣とつながりのある打線、そしてベテランの多賀監督のタクトと常連校らしくバランスの取れた好チームだ。日大東北は粘りが持ち味の好チーム。過去には1997年にV候補の報徳学園を苦しめたこともあり、接戦で勝機を見出したい。

反対の山では初出場の鹿島学園が強打の盛岡大付に挑む。盛岡大付は5試合連続ホームランの金子を中心にパンチ力のある打者がずらり。鹿島学園バッテリーとしては決勝で常総学院を倒した試合のように、力勝負にいかずに、「柔よく剛を制す」戦いで活路を見出したい。

もう1カードは沖縄尚学・當山と阿南光・森山の好左腕対決に。攻撃力ではやや沖縄尚学に分があるだけに、阿南光は接戦で終盤勝負に持ち込みたい。新野時代にも見せた終盤の逆転劇を見せられるか。

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