大会8日目第4試合
横浜
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | × | 5 |
智辯学園
横浜 杉山→田高→宮田→金井
智辯学園 西村→小畠
強豪同士の激突となった2回戦屈指の好カードは智辯学園が投打で横浜を圧倒。1番前川の4打点の活躍で横浜を引き離し、点差以上の力の差を見せつけて3回戦進出を決めた。
試合
2011年夏以来10年ぶりの対戦となった両校。あの時は9回に智辯学園が一挙8点を挙げる猛攻で逆転勝ちを収めた。今回は力では上回る智辯に対して、若い力が目立つ横浜がどこまで食らいつけるかが注目された。
横浜の先発は1年生左腕の杉山。神奈川大会でエース格を務めた左腕に対し、智辯学園はこの日はスラッガー前川を1番に置く、県大会と同じ打順に戻してきた。1回裏、いきなり前川が痛烈なライト前ヒットを放ってチャンスを作るが、杉山は4番山下を痛烈な打球のショートゴロで併殺に打ち取り、難を逃れる。
対する智辯学園の先発は初戦に続いてエース西村。1年生時からマウンド経験豊富な左腕はキレのある速球とスライダーを軸に名門・横浜の打線に仁王立ちする。独特の腕の振りから繰り出すボールに対し、まずタイミングを取るのが難しく、序盤は空振りや凡打の内容を見てもなかなか打てそうな気配が漂ってこない。
しかし、智辯学園もこの日は拙攻が続く。3回には代走で出た植垣がけん制で刺され、満塁のチャンスも活かせないなど、なかなか得点を挙げることができない。杉山も左打者の外へ流れるスライダーを武器に我慢の投球で踏ん張り、3回までをなんとか無失点で切り抜ける。
だが、この嫌な流れを砕いたのも1年生から試合に出続ける主砲・前川であった。智辯学園は4回裏に7番植垣が粘って四球をもぎ取ると、8番西村には強攻でヒットを放ち、1,2塁。初回の打席を見るとタイミングがあっていないように見えたが、小阪監督も強気である。さらに9番竹村もヒットで続き、満塁で前川を迎える。
スライダーも徐々に見極められはじめ、苦しい杉山。1番前川に対してカウントを取りに行ったストレートが高めに浮く。前川がとらえた打球は高々と舞い上がり、センターのフェンスを直撃するタイムリーとなって2者が生還。しかし、この場面でも1塁ランナーは2塁までしか進めず、どうもこの日の智辯学園は攻撃の効率が良くない。
それでもこの回に4番山下の押し出し四球で1点を加えると、6回裏には再び前川が見せ場を作る。ランナーを一人置いて打席に入ると、2番手の右腕・田高に対し、カウント0-3から高めのストレートを強振。普通の打者なら待てが出る場面で積極的に打ちに行った打球は今度はセンターバックスクリーンに飛び込む2ランとなり、この回で勝負はあった。
智辯・西村は終盤は横浜打線が慣れてきたこともあり、ヒットを浴びたが、要所でコーナーに厳しいボールを投じて得点は与えず。8回にはレフト前にタイムリーを浴びかけたが、この日大活躍のレフト前川が好返球でホームタッチアウトとし、失点を免れた。
1年生から大舞台で悔しい経験をし、1球の大切さを身に染みて学んできたエースが横浜打線を寄せ付けず、9回は右腕・小畠につなぐ余裕の継投を見せた智辯学園が快勝で3回戦へとコマを進めた。
まとめ
智辯学園はこの日もエース西村、主砲・前川と役者が活躍して快勝した。ただ、走塁ミスやチャンスでの一本が出ないことなど、攻撃面ではやや課題の残る内容に。正直もっと序盤から点が入ってもおかしくない試合であった。これは次戦以降の課題となるだろう。1年生から手塩にかけて育ててきた投打の柱が成長した姿を見せており、夏初めての全国制覇に向けて手ごたえは十分だろう。
一方、敗れた横浜はこの日は完全に力負けだったが、1年生緒方が2安打を放つなど、終盤は西村に食らいついて見せ場を作った。村田監督になって生まれ変わりつつある新生・横浜にとってエース杉山、トップバッター緒方と1年生が甲子園を経験できたのは大きな財産だろう。今年は2回戦で幕を閉じたが、来年・再来年の横浜の躍進が非常に楽しみである。
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