大会3日目第1試合
八戸西
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 3 |
0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | × | 8 |
具志川商
八戸西 福島→広田
具志川商 新川→粟国
2013年の遠軽vsいわき海星以来となる21世紀枠同士の対戦は、具志川商が序盤から八戸西のエース福島を攻略。のびのび野球で初の甲子園1勝を記した。
試合
長身エース福島と強力打線で投打に安定した八戸西に対し、守備面で若干の不安を残していた具志川商。しかし、試合が始まると地に足がつかないのは八戸西のほうだった。初回は失点こそなかったものの、福島がけん制悪送球をするなど、どこか落ち着かない雰囲気だ。
対する具志川商の先発・新川は1,2回とランナーは背負うものの、ストライク先行の投球。2回にはランナー2塁からセンター前ヒットを許すが、センター大城の好返球でホームタッチアウトとし、守備面の不安を一掃する。
すると、2回裏に自信を持っていた打線が相手エース福島を攻略。1アウトから6番比嘉がストレートをレフトに流し打つと、下位打線が福島の角度のあるボールをことごとく打ち返す。7番知名、8番上原、9番伊波と怒涛の4連打を放ち、相手の失策もあって一挙4点を先制する。ヒットエンドラン、盗塁、内野ゴロの間の生還など、相手のスキを突く走塁も見事だった。
この4点はディフェンス面でやや不安のあった具志川商に大きなアドバンテージとなった。新川は3回から6回まで強気の投球でストライクを稼ぎ、ランナーは許すものの相手打線にヒットを与えない。昨秋の東北大会で常連校と互角に渡り合ったように、八戸西の打線は決して力がないわけではないが、新川の投球が上回った。
勢いを得た具志川商は止まらない。福島の投球が変化球主体になってもストライクを積極的にたたく。4回裏に7番知名、8番上原の連打で1,3塁として1番大城のスクイズで加点すると、6回裏にも好調な知名の3本目のヒットを足掛かりに今度は大城の犠飛で得点。下位打線で作ったチャンスを上位が返す理想的な攻撃で得点を重ねていく。
意地を見せたい八戸西の反撃は7回表。やや疲れの見える新川から2アウト後に四死球と内野安打で満塁のチャンスを作ると、勝負強い2番桐山が取りに来たストレートをライトへ奇麗にはじき返し、甲子園初得点となる2点を挙げる。
しかし、5回までで絶対的エース福島が降板した八戸西にとっては本来の試合展開ではすでになくなっていた。その直後の7回裏に再び2点を返されて6点差に。最終回に2番手の粟国を攻めて1点を返すも及ばずに試合終了。具志川商が8-3と快勝で21世紀枠対決を制し、春夏通じて初の甲子園で1勝をもぎ取った。
まとめ
具志川商にとっては序盤から自分たちの良さである積極的な走塁を絡め、理想的な展開に持ち込んだ。八戸西の福島のような長身投手とはなかなか対戦する機会も少なかっただろうが、見上げる形にならずに、ボールに対してしっかりアジャストしていた。エース新川も7回2失点の好投を見せての快勝劇。沖縄の新しい風が甲子園に吹き荒れた。
対する八戸西にとっては自慢の守りが序盤から相手の好走塁にもかき乱され、なかなか自分たち本来の安定感のある野球に持ち込めなかった。エース福島もこの日の投球が本来の実力ではないのだろうが、大舞台で実力を出し切る難しさを感じさせられた。ただ、八戸学院光星や青森山田といった強豪校以外が甲子園の舞台を経験できたことは、今後の青森県の高校野球にとってまた新たな一歩となったのは間違いないだろう。
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