2022年選抜1回戦予想 二松学舎大付vs聖光学院

2022年

2022年選抜1回戦

二松学舎大付vs聖光学院

52% 48%

 

常連校同士の好カードとなった。二松学舎大付、聖光学院ともに絶対的なエースを擁しており、お互いの打線がどう攻略するかで勝負が決まりそうだ。

 

二松学舎大付のエースは今年も「左腕」の布施。昨年のエース秋山(ロッテ)のような快速球はないが、多彩な変化球を丁寧に低めに集める投球で安定感では決して引けを取らない。昨秋の戦いを見ても、崩れたと言える試合は一つもなく、まず間違いなく試合を壊さないだろう。市原監督も全幅の信頼を寄せるエースだ。

対する聖光学院の打線は、派手さはないものの、いわゆる聖光学院らしい細かくつないでいく野球が持ち味だ。主軸の山浅、嶋田に加えて、6番三好が成長してきているのは心強い。ただ、秋の戦いではまだ下位打線の弱さが目についており、ここがどこまで底上げされているか。相手投手に楽をさせないような、選球眼と機動力を徹底して、終盤勝負に持ち込みたい。

 

一方、聖光学院も投手力には自信を持つ。エース佐山は秋の大会をほぼ一人で投げ抜いて防御率は1.00を記録。投手フォームを見直した結果、ストレートのキレは増し、多彩な変化球も駆使して打ち取っていく。聖光学院の守り勝つ野球のシンボルとなる存在だ。後ろには右腕・小林剛も控えるが、まずは佐山の完投が望ましい結果だろう。

対する二松学舎大付打線は昨夏を経験した3番親富祖、4番瀬谷の2人が中心となる。2人ともツボに入れば一発放り込む力を持っており、昨夏の京都国際戦のように試合の最後まで何が起こるかわからないのが二松学舎大付の野球だ。昨秋はあと1イニングで東京優勝を逃しており、その悔しさを胸に、詰めが甘くならないような攻撃を心掛ける。

 

打線の破壊力ではやや二松学舎大付が上回るか。昨夏、連続出場が止まった聖光学院としては復活の足掛かりを作る大会にしたいところ。

 

主なOB

二松学舎大付…初芝清(ロッテ)、鈴木誠也(広島)、大江竜聖(巨人)、秋広優人(巨人)、秋山正雲(ロッテ)

聖光学院…斎内宏明(阪神)、八百板卓丸(阪神)、岡野祐一郎(中日)、湯浅京己(阪神)、佐藤都志也(ロッテ)

 

東京 福島

春  0勝  0勝

夏  0勝  2勝

交流 1勝  0勝

計  1勝  2勝

対戦成績は福島勢がリード。1971年の選手権では磐城の小さな大投手・田村がV候補筆頭の日大一打線を完封して1-0で勝利。この大会で福島県勢初の準優勝に輝き、歴史に語り継がれる快進撃となった。

一方、一昨年の交流試合では国士舘と磐城が激突。1点を争う好ゲームは、エース中西の力投と機動力野球で国士舘が制した。磐城の健闘も光り、21世紀枠と一般枠の差を感じさせない好試合であった。

2020年交流試合 国士舘vs磐城(4日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

思い出名勝負

2012年夏1回戦

日大三

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
1 0 0 0 0 0 0 1 × 2

聖光学院

 

日大三   斎藤→大場

聖光学院  岡野

 

2012年初戦の組み合わせの中でも注目の好カードとなったのが、聖光学院vs日大三の試合であった。

聖光学院は春夏連続の甲子園出場。夏の出場に限っても2007年から6年連続の出場であり、すっかり常連校と呼べる存在になっていた。前年はエース斎内(阪神)を擁した大型チームながら2回戦で敗退。そのチームに比べて今年は個の力ではやや劣っていたが、聖光学院らしいつながりのいいチームに仕上がっていた。

エース岡野は抜群の制球力を誇っており、特にアウトサイドの出し入れには定評があった。選抜でも鳥羽打線をわずか2安打で完封するなど、全国での実績も十分であった。打線も2年生の4番園部(オリックス)を中心に破壊力を増し、夏の福島大会を危なげなく制覇。まず目指すは2年前の夏に続く8強入りであった。

一方、日大三は前年夏に10年ぶりの全国制覇を達成。2010年~2011年にかけて黄金期を築き上げたが、ほとんどが3年生であったため、残ったのは2番金子と準決勝で先発した右腕・斎藤くらいであった。秋春の都大会はともに早期敗退し、今年の日大三は危ないかという声もちらほら聞こえ始めていた。しかし、2年生のトップバッター森の成長やエース斎藤の踏ん張りもあって、チームはついに決勝まで勝ち進む。

決勝の佼成学院戦では0-1と1点ビハインドで迎えた9回に2アウトながらランナーを2人置いて打席に3番主将の金子を迎える。凡退すれば夏が終わる場面で金子がとらえた打球は右中間を真っ二つ。2者が脱兎のごとく生還し、土壇場で日大三が逆転に成功した。最終回を無失点で切り抜け、薄氷を踏む思いで勝利した日大三ナインは、連覇を目指して甲子園に乗り込んできた。

 

聖光学院は岡野、日大三は斎藤が先発のマウンドに上がった。

1回表を岡野が無失点で抑えると、その裏、聖光学院が先制攻撃を仕掛ける。1番安西がいきなりセンターへのヒットで出塁すると、犠打と四球で1アウト1,2塁に。続く4番園部の打席で2塁ランナーの安西が三盗を成功させ、聖光学院らしさを見せる。ここで園部は高めの速球を強引にセンターへ打ち上げ、犠飛で聖光学院が1点を先制する。

聖光学院の岡野は春と同様に抜群のコントロールを誇り、アウトコースのボールの出し入れで日大三の打者を翻弄する。インコースをいかに使うかが投球の生命線になることが多いが、これだけ精密に投げ切れればアウトコース一本でも十分と思わせる投球である。

しかし、聖光学院も2回以降はなかなか得点が挙げられない。4回には1回と同じようにランナー3塁の場面で外野フライが上がったが突っ込めず。このあたりは聖光学院らしくない攻撃でチャンスを逃す。

打者一巡して岡野のボールに慣れ始めた日大三打線は5回表、5番山中、7番村井のヒットなどで1アウト満塁のチャンスをつかむ。ここで打席の9番齋藤にスクイズのサインを出すが、これを斎藤が痛恨の見逃し。打力に自信がない中での選択であったが、結果的に大きなチャンスを逃すこととなった。

その後も両投手が踏ん張って投手戦の展開に。日大三は7回途中から2年生の右腕・大場に継投し、流れを引き戻しにかかる。

ところが、8回裏、聖光学院は1アウトから4番園部が左中間を深々と破る当たりで一気に3塁を奪う。ここで打席には5番齋藤。ここまで日大三の先発・斎藤のスライダーに全くあっていなかったが、日大三バッテリーは大場の得意な真っすぐを選択する。これを迷わず振り抜いた打球はセンターへのタイムリーとなり、聖光学院が貴重な1点を追加した。

2点差を追う日大三は9回表、先頭の3番金子が岡野の珍しく甘く入ったボールをセンターバックスクリーンへ運び、土壇場で1点を返す。西東京大会の決勝と言い、金子の最終回の打棒は脅威の一言だ。しかし、一発だったことで岡野も気持ちを切り替えやすかったか、後続の3人を落ち着いて打ち取って試合終了。聖光学院が3年連続となる初戦突破を果たした。

 

聖光学院としてはエース岡野の好投が何より光った試合。打線は走塁面のミスで追加点を上げられなかったのは痛かったが、大事な場面で主軸にきっちり一本が出て競り勝った。2010年の広陵に続き、強豪校を相手に勝利を挙げたことは、聖光学院というチームに大きな自信を与える結果となった。

一方、日大三は2年連続の初戦突破はならなかったが、メンバーがほぼ入れ替わった中で、激戦の西東京大会を連覇したことがまず素晴らしかった。特に主将の金子は苦しい状況の中でもチームを引っ張り、苦しい時にチームに必要な一本を出し続けた。彼の存在があったからこそ、日大三の伝統が引き継がれたことは間違いない。翌年も森、大場を中心に勝ち抜き、西東京3連覇を達成することとなる。

【好投手列伝】福島県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

日大三vs聖光学院 ダイジェスト(第94回選手権・1回戦) – YouTube

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