2022年選抜1回戦
大垣日大vs只見
60% 40%
21世紀枠の只見と逆転選出を勝ち取った大垣日大。投打に上回る大垣日大の優位は動かない。只見がどこまで食い下がれるか。
大垣日大は質量ともに豊富な投手陣を誇り、抜群のコントロールを誇る左腕・五島、速球派右腕・山田に加え、ここにきて新たに左腕・三松も練習試合で好投。184㎝の長身から繰り出す速球派威力抜群で、甲子園で一気に覚醒する可能性がある。過去の甲子園では大エースを中心に回すことが多かった阪口監督だが、今回は選択肢が多い贅沢な悩みとなりそうだ。
対する只見打線は上位打線は十分力がある。酒井怜、山内優の1,2番コンビが機動力豊か。3番鈴木、4番室井にはチャンスでの一打に期待がかかる。冬場の鍛錬で下位の力がいかに伸びてきてるかがカギを握る。得点チャンスは多くないことが予想されるが、その少ないチャンスで確実に走者を進めて得点に結びつけたい。
一方、只見のエースは右腕の酒井悠。右スリークオーターから武器である速球と多彩な変化球を丹念に投げ分けて試合を作る。左腕・室井は酒井悠以上のスピードを誇り、昨秋の公式戦では防御率0点台と見事な火消し役を見せた。酒井悠が無難に立ち上がることと、室井への継投のタイミングが重要になりそうだ。
対する大垣日大打線は、東海大会で静岡の好投手・吉田を打ち崩したように、本格派相手でも力負けしない振りの強さがある。4番捕手の西脇はその東海大会でホームランを放ったように、ツボにはまれば長打が飛び出す。強気な攻撃スタイルが持ち味の阪口監督がこの切れ目のない打線に対して、どのようなタクトを振るのかも注目だ。
只見としては投手陣が踏ん張ってなんとか3点以内のロースコアの展開に持ち込みたいところ。大垣日大は相性のいい選抜でまずは快調なスタートを切りたいところだ。
主なOB
大垣日大…曽我部直樹(阪神)、阿知羅拓馬(中日)、沼田拓巳(ヤクルト)、滝野要(中日)、橋本侑樹(中日)
只見…大竹涼華(シンガーソングライター)
岐阜 福島
春 0勝 0勝
夏 0勝 1勝
計 0勝 1勝
対戦は2008年の一度。前の試合で甲子園初勝利を挙げた市立岐阜商に対し、聖光学院が中盤の猛攻で試合をひっくり返し、同校史上初の8強入りを果たした。
今回はどちらが勝利するか。
思い出名勝負
2008年夏3回戦
聖光学院
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 5 |
0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
福井商
聖光学院 佐藤竜
市岐阜商 原→吉村
2008年夏の3回戦第1試合はともに初めてのベスト8入りを狙うチーム同士の対戦となった。
聖光学院は前年から4季連続の甲子園出場。スラッガー黒羽を中心に関根、菅野ら経験者をそろえた打線と佐藤竜、仲田、横山(楽天)と質量ともに豊富な投手陣がかみ合い、夏の福島大会を勝ち抜いた。甲子園では初戦で初出場の加古川北と対戦。初回に菅野の満塁走者一掃打が飛び出し、佐藤竜の好投もあって9-2と大勝。初の8強入りへ向けて順調なスタートを切った。
対する市立岐阜商は過去の甲子園でいずれも無得点で敗退。福井、明徳義塾、沖縄尚学と強豪校を相手に完封負けを喫した。しかし、県大会決勝で名門・県岐阜商に競り勝ったチームは甲子園でも物怖じすることはなし。7番西田の勝ち越し2ランで得たリードを原→吉村の継投で守り切り、見事甲子園初勝利を手にした。
試合は初戦と同様に聖光学院が佐藤竜、市立岐阜商が原の先発となった。
総合力で聖光学院がやや有利かと思われたが、先手を取ったのは市立岐阜商だった。2回裏、4番捕手と攻守のかなめの加藤が佐藤の甘めに入ったボールをとらえ、レフトへ先制のホームランを放つ。決め球のスクリューが来る前に早めの勝負で長打を放った。
さらに、3回裏にはヒットの8番西川をきっちり2塁に進め、2番臼井が今度はセンター横を破るタイムリー2塁打を放ってもう1点を追加。序盤は聖光学院がやや受けてたってしまったか、初勝利で勢いに乗る市立岐阜商が押せ押せで進める。
しかし、序盤3回を終えて落ち着いたか、4回表に入って聖光学院が反撃に転ずる。主砲・黒羽が死球で出塁すると、送って2アウト2塁から斎藤監督が勝負に出る。6番四家に代打・斎藤を送ると、原のストレートをとらえた打球はライトへ抜けて2-1。監督の起用に見事に応えた一打だった。
1点差となって今度は市立岐阜商に重圧がかかったか。グラウンド整備の終わった6回表に一気に聖光打線がつながる。
1アウトから四球で出塁の5番菅野を2アウト覚悟で送ると、7番安田は芸術的な逆方向への2塁打で菅野を返し、同点。さらに、8番佐藤竜、9番竹沢のバッテリーコンビが市立岐阜商の動揺を見透かしたかのようにタイムリーを連ねて一気に試合をひっくり返す。結局、この回7番からの4連打で一気に4得点。聖光学院らしいつながりの良さがでたイニングだった。
リードをもらった佐藤竜は4回以降は危なげない投球で3安打に封じ、2失点完投。スクリューボールを武器に9三振を奪い、会心の内容で投げ切った。聖光学院としては2004年、2007年と2度はじかれていたベスト8の壁を3度目の正直で破った一戦だった。
聖光学院はその後、準々決勝で筒香(レイズ)擁する横浜に大敗したが、このベスト8進出はチームに自信を与えたのは間違いない。その後、2010年、2014年、2016年も合わせて計4度のベスト8進出を達成。すっかり上位常連のチームとなった。
一方、敗れた市立岐阜商だったが、4度目の出場でうれしい甲子園初勝利を達成。伸び伸びとしたプレーで観衆を沸かせた。岐阜県勢はその後も県岐阜商、大垣日大、中京学院大中京などがしのぎを削り、ハイレベルな争いを展開。1990年代から2000年代前半の低迷が嘘のように、甲子園で勝利を積み重ねている。
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