独断と偏見で選ぶ、2010年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2010年

自由ヶ丘(福岡)

1 小野 10 行広
2 中村 11 藤原
3 外野 12 古賀亮
4 13 楠田
5 宮崎 14 久保田
6 藤井 15 吉原
7 古賀翔 16 柴岡
8 板谷 17 岡崎
9 古橋 18 有田

V候補筆頭を下した初出場校

公立校も含めて強豪校がひしめく福岡県内。投打に逸材が揃う県であり、タレントが散らばる傾向が強いため、どこで足元をすくわれるかわからない怖さがある。その中にあって、2006年に柳川を何度も甲子園に導いた名将・末次監督が就任し、着々と強化を進めてきたのが、福原学園自由ヶ丘高校だ。

前年まで外野手だった左腕・小野をエースに据えたチームは、福岡大会を順調に勝ち上がる。小野はしなやかなフォームから繰り出す切れのあるストレートが光り、打者は手元でバットが差し込まれる。ソフトバンクの杉内バリのキレの良さの前に九州の強豪もきりきり舞いさせられた。打線も少ないチャンスを活かす勝負強さが光り、末次監督のタクトの元、大事な場面でタイムリーが飛び出した。九州4強の初出場校が侮れない存在感を放っていた。

1回戦

東海大相模

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2
0 0 0 0 1 0 0 3 × 4

自由ヶ丘

第82回選抜 東海大相模vs自由ヶ丘 ダイジェスト『前編』 – YouTube

第82回選抜 東海大相模vs自由ヶ丘 ダイジェスト『後編』 – YouTube

初戦の相手は神宮大会準優勝の東海大相模。一二三(阪神)-大城(巨人)のバッテリーと2年生のトップバッター渡辺勝(中日)を中心とした強力打線がかみ合い、関東大会を制した強豪だ。神宮決勝では大垣日大との乱打戦に敗れていたが、エース一二三を先発させずに招いた失点が響いたうえでの敗戦であり、実質優勝候補No.1と目されていた。

その東海大相模に対し、自由が丘は初回に先制点を許すも、小野が関東No.1の強力打線を封じ込める。攻撃陣は一二三のスピードボールに苦戦していたが、5回裏に数少ないチャンスを代打・行広のタイムリーで活かす。そして、ハイライトは8回裏。一二三の制球難に付け込んで満塁のチャンスを作ると、6番外野はアウトコースの速球を右中間へ力強くはじき返す。打球は走者3人を返すタイムリーとなり、大きな勝ち越し点を手に入れた。

小野は再三ピンチを招いたが、9安打を浴びながらも2失点で完投勝ち。四球2つのみで抑え、打たせて取る投球で2つの併殺を奪った。実力上位の相手に勝つにはこうすればよいという、理想の展開であった。

 

2回戦

北照

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 3 0 2 5
0 0 0 0 0 0 3 0 1 4

自由ヶ丘

第82回(2010年)選抜高校野球大会 2回戦 北照 対 自由ヶ丘 9/9 – YouTube

 

続く2回戦は又野-西田(ともにヤクルト)の好バッテリーを擁する北照と激突。北照はエース又野が負傷降板するアクシデントに見舞われるも、継投した左腕・千葉が粘って接戦になる。終盤にお互い点を取り合って迎えた試合は、最終回に2点差を追って自由ヶ丘が粘る。4番古閑翔・5番中村の連続2塁打で1点差に迫り、なおランナー2塁で代打・有田が打席で。しかし、最後は千葉のカーブにバットが空を切って空振り三振。自由が丘の初めての春はあと一歩で幕を閉じた。

しかし、初出場で東海大相模を下した勝利は非常にセンセーショナルなものであった。その後も、2013年夏に初出場するなど、福岡県内で強豪としての地位を築いており、また甲子園で自由が丘の名を聞く日がやってくるはずだ。

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