独断と偏見で選ぶ、2018年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2018年

彦根東(滋賀)

1 増居 10
2 髙内 11 北村
3 山田 12 井上
4 朝日 13 中谷
5 川嶋 14 中川
6 今井 15 水谷
7 岡上 16 永井
8 野嵜 17 嶋崎
9 宇野 18 西田

大記録に迫った湖国の左腕

2009年選抜に21世紀枠で選抜出場を果たした彦根東。当時、スタンドを真っ赤に染めた応援団と関東準V校の習志野をあと一歩まで追い詰めた激闘は滋賀の高校野球ファンに鮮烈な印象を残した。その後も、2013年夏・2017年夏と出場を重ね、2017年夏の開幕戦ではついに初勝利を達成。近江・滋賀学園ら強豪私学がリードしていた滋賀の高校球界にあって、大きな存在感を放つようになってきていた。

そして、2018年度の新チームには甲子園のマウンドを経験したエース左腕・増居が残っていた。縦回転成分の多い、スピンの効いた真っすぐを武器に要所で三振の奪える左腕は、選抜の当落線上である近畿大会準々決勝までチームを牽引。その準々決勝で近江に3-4と敗れたが、試合内容と増居の力投が評価され、9年ぶりの選抜を今度は実力でもぎ取った。

また、打線は環境的に不利な中でも工夫した練習で強化を図り、バッティングセンターを使用することで球数制限がある中でも一球一球に集中力を高めてきた。巧打の朝日や主砲・野嵜ら要所に好打者が並び、進学校らしい「試合の中でも対応力」も素晴らしいものがあった。山椒は小粒でもぴりりと辛い、そんな投打に実力を秘めたチームが選抜の舞台へと挑んでいった。

1回戦

彦根東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 1 0 3 0 4
0 0 0 0 0 0 2 1 0 3

慶応義塾

現慶応大学2018選抜甲子園注目選手彦根東・増居翔太投手 対 慶応 – YouTube

初戦は慶應義塾との進学校対決となった。増居はやや制球に苦しむも要所で力のあるボールを投じるが、打線も慶應のエース生井の軟投の前に決定打が奪えない。6回表に、1点を先行するも7回裏には慶應の好捕手・善波の一打で試合をひっくり返されてしまう。しかし、逆境に立たされてからが彦根東の真骨頂であった。8回表、疲れの見える生井から3番朝日の3塁打と四球でチャンスを得ると、こちらも女房役の髙内が生井のインサイドの速球をバット一閃。打球はレフトスタンドへ突き刺さる逆転3ランとなり、彦根東が鮮やかな勝利を飾った。

 

2回戦

彦根東

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

花巻東

花巻東vs彦根東 2018年選抜 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

増居翔太投手 彦根東(滋賀)VS花巻東(岩手)赤鬼魂!1回表の投手交代 1回裏の「幻のノーヒットノーラン」 第90回センバツ高校野球 – YouTube

そして、2戦目となった3回戦の相手は岩手の強豪・花巻東。2013年夏の甲子園で5-9と敗れた因縁の相手であった。この強豪のそつがない打線に対した増居の投球は神がかったものであった。高めに伸びる速球の前に次々バットは空を切り、速球を意識すれば変化球で泳がして打ち取っていく。味方の援護がない中、9回までついに一本のヒットも許すことなく投げ切り、あの2009年選抜のPL学園・中野と同じように、ノーヒットノーラン継続のまま延長戦へと突入した。

しかし、最後は延長10回に花巻東の4番紺野に初ヒットを許すと、1アウト満塁となって代打・藤森がきっちり犠飛を放って万事休す。大会屈指の左腕と勝負強い打線で8強の壁に挑んだ花巻東であったが、惜しくも目前で涙を飲んだ。だが、その戦いぶりは多くの高校野球ファンの脳裏にしっかりと刻み付けられたことだろう。

 

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