大会8日目第1試合
弘前学院聖愛
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | × | 4 |
石見智翠館
弘前学院聖愛 葛西
石見智翠館 山崎
雨の中で始まった8日目第1試合は石見智翠館・山崎琢、弘前学院聖愛・葛西の両エースの好投で引き締まった投手戦に。8回裏に宮本の2ランで勝ち越した石見智翠館が弘前学院聖愛の反撃を振り切り、4強入りした2003年以来の3回戦進出を決めた。
試合
県大会決勝で無安打無得点を達成した石見智翠館のエース山崎琢。リズムよく打たせて取る投球が持ち味の右腕だが、立ち上がり弘前学院聖愛の強力打線に捕まる。
1回表、1アウトから2番町田にセンターにはじき返されると、3番丸岡には高めのストレートをライト線に運ばれる。盗塁で2,3塁とピンチを広げると、4番佐藤海の内野ゴロでまず1点。さらに5番長利が変化球を救い上げた打球は右中間方向にぐんぐん伸びる2塁打となってこの回聖愛が2点を先制する。
この回は山崎琢のボールがやや高かったとはいえ、県大会無失点のエースから速攻で2点を挙げた聖愛の攻撃は見事。青森で強豪相手にもまれた力は伊達ではない。
一方、攻撃力と比較してやや投手力に不安を抱える聖愛は、2年生エース葛西が1回裏に四球、失策でいきなり1アウト満塁のピンチを招くも、後続を連続三振で無失点に切り抜ける。2年生だが、非常に度胸満点の好投手である。
しかし、県大会終盤にかけて調子を上げてきた石見打線も黙ってはいない。3回裏、打者2巡目に入って葛西を攻略する。1年生から甲子園の舞台を経験した1番関山がうまい流し打ちで出塁すると、2番山崎凌の四球と内野ゴロで1アウト2,3塁のチャンスをつかむ。ここで4番の上は粘りに粘った9球目で甘く入ったストレートをとらえ、ショートオーバーの同点タイムリーを放って試合を振り出しに戻す。
絶対的エースが打たれ、相手投手の球威に立ち上がりからやや押されがちだっただけに、この4番捕手の同点タイムリーは非常に大きな意味を持った。
打線の援護をもらった山崎琢は2回以降持ち味のコントロールを取りもどし、聖愛打線にヒットは許しながらも要所を抑えていく。一方、聖愛の2年生エース葛西も徐々にコントロールが安定していき、低めの威力ある速球を武器に石見打線を封じ込める。両投手の熱のこもった投手戦はどこまで続くかと思わせるほど気持ちの熱くなる攻防であった。
ただこういう試合が決するのはやはりミス、四死球、一発長打である。8回裏、石見智翠館は3番岡田が高めに浮いた変化球を逃さずライトに運ぶ。続く4番の上は同点タイムリーを放っていたが、あえて犠打で送らせて期待の5番宮本につなぐ。この夏予選も通じて初出場の長距離砲がアウトコースのボールを救い上げると、打球は高々と舞い上がってレフトポール際を巻く2ランに。大事なところで貴重な一発が飛び出した。
しかし、押し気味に試合を進めていた弘前学院聖愛もあきらめない。9回表、3番丸岡、4番佐藤海が連打でチャンスメーク。続く5番長利の犠打は石見守備陣の網に引っかかって3塁封殺されるも、続く代打・佐藤雄が変化球を詰まりながらもセンターにはこんで1点差に迫る。さらに一打逆転の場面を作ったが、最後は力投を見せてきたエース葛西が併殺に取られてゲームセット。
見ごたえ十分の投手戦を制した石見智翠館が校名変更後初めてとなる勝利を挙げ、18年ぶりの3回戦進出を決めた。
まとめ
石見智翠館はエース山崎琢の我慢の投球と少ないチャンスを確実に活かす攻撃で大きな1勝を挙げた。何か好左腕・木野下を擁して4強入りした時を思い起こすような勝ち上がり方だが、山崎琢は本調子ならば球威・コントロールともまだよくなるだろう。
打線はやや力負けする部分もあったが、中軸の上・宮本がそれぞれ2打点を挙げる活躍を見せ、接戦をものにできた。ポイントゲッターがはっきりしている分、攻撃の流れを作りやすいか。18年前の快進撃の再現を期待させる初戦突破であった。
一方、弘前学院聖愛はさすがは打で強豪ひしめく青森県を勝ち上がっただけあり、スイングの迫力は石見智翠館を上回っていた。惜しむらくはやや拙攻になってしまったことと2年生エース葛西がポイントポイントで痛打を浴びてしまったことか。それでも全国レベルで全く引けを取らない実力を有しているのは試合内容から明白であり、これからも青森の強豪として高校野球界を沸かせてくれそうなチームである。
2021年選手権2回戦予想 弘前学院聖愛vs石見智翠館 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
8月21日 【石見智翠館 vs 弘前学院聖愛 】ハイライトvsホームラン | 第103回全国高等学校野球選手権大会 – YouTube
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