2024年選抜1回戦 創志学園vs別海(3日目第1試合)

2024年

大会3日目第1試合

創志学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 3 0 2 1 0 7
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

別海

 

創志学園   山口

別海     堺→金沢

大会3日目、快晴の中で始まった第1試合は、創志学園の左腕・山口が好投。打線も中盤以降に着々と加点し、創志学園が2016年以来8年ぶりの選抜1勝を挙げた。

試合

別海の先発は長身のサイドハンド右腕・。独特の球筋に対し、創志学園は1番から6番まで上位陣を左打者で固めて、臨んできた。

1回表、創志学園は1アウトから2番杉山が流し打ちのヒットで出塁。2アウト後、4番豊島もセンターへヒットを放つ。サイドの投手に対し、引っ張りにかかるのではなく、しっかりボールにアジャストしてスイングをかけていく。ただ、も左打者に対し、アウトコースへ沈むボールをうまく活用。後続を打ち取り、無失点で立ち上がる。

これに対し、創志学園の先発左腕・山口は左スリークオーターから繰り出す速球とスライダーを武器に、立ち上がりから別海打線を翻弄。アウトコースの出し入れのみで投球を組み立て、それでも抑える余裕を見せる。

0-0のスタートも内容は対照的。2回表、押し気味の創志学園は1アウトから7番右打者のが逆方向への理想的な打撃でライトへヒット。続く8番矢野の打席で二盗、三盗を次々決めアグレッシブに次の塁を奪う。しかし、ここはフルカウントからのスクイズが飛球で併殺となり、一瞬でチャンスが消える。別海守備陣は落ち着いた守りが光った。

先制点が欲しい別海だが、序盤はなかなか山口の投球の前に攻略の足掛かりを掴めない。ストレートには差し込まれ、スライダーにはバットが空を切る。中国地区屈指の実力派左腕を前に3回までランナーが出ず、6三振を奪われる。

すると、ランナーを背負いながらも踏ん張っていた堺が4回に捕まる。この回、5番賀陽のショートゴロがエラーとなって無死二塁。犠打で3塁に進むと、初回にヒットを放っているがセンターへきっちり犠飛を打ち上げ、創志学園が先制点を奪う。点数は1点だったが、山口の出来を考えると2点にも3点にも感じる得点だっただろう。

その裏、別海は1アウトから2番影山がチーム初ヒットを放つ。高めの速球をしっかり打ち返し、学校の歴史を刻む。この後、盗塁も決め、4番中道も四球でつないで2アウト1,2塁となる。さらに5番の打席で暴投が飛び出し、一打逆転の場面を迎えるが、ここは創志学園バッテリーがスライダーを武器に三振を奪い、3アウト。変化球の制球に優れ、追い込まれた場面でも勝負できる球種が多いのが強みとなっている。

これで勢いに乗ったか、直後の5回表、先頭の山口が自らヒットで出塁。1番亀谷は強攻策でアウトとなるが、2番杉山の打席でけん制悪送球が飛び出してしまう。さらに、2番杉山が四球で出て盗塁を決めると、3番朝野のセカンドゴロが野選となって、創志学園が貴重な追加点を手にする。別海としては自らのミスで失点してしまい、やや雰囲気が堅くなったか。ここから四球、内野ゴロ(ランナー生還)、そして、再び失策と続いてしまい、点差は4点に広がる。

山口にとっては、このリードは落ち着きを取り戻すには十分であった。6回裏には四死球と暴投でランナーをためるも、続く打者の犠打を落ち着いてアウトにし、後続も打ち取って得点を与えない。コントロールが安定しており、特にスライダーはいつでもカウントを整えられるボールとなっている。

創志学園打線は7回表にも、3番朝野、5番賀陽、6番後藤と左打者の3人がヒットを放ち、ライトの悪送球もあって2点を追加。打者3巡目に入り、完全にのボールに対応するようになった。さらに。8回表にはキーマンの1番亀谷にもヒットが出て、1点を追加し、試合を決定づけた。

山口は最後までスライダーを武器に、別海打線を寄せ付けずに4安打で完封。投打に安定した内容で試合をリードした創志学園が2回戦進出を決めた。

まとめ

創志学園は機動力を活かした攻めとエース山口の好投でまずは初戦を突破。左打者を上位に並べ、足も絡めて、別海のエースを攻略した様は、さすがアグレッシブベースボールと感じさせるものであった。

また、山口も安定した制球で内外の出し入れ・緩急を駆使。別海打線にほとんどつけ入るスキを与えず、完封して見せた。特にスライダーは狙われているとわかっていても、そのボールで勝負しており、自身のあるボールなのだろう。門馬監督も手ごたえを感じたであろう一戦。同校初のベスト8へ向け、順調なスタートを切った。

一方、別海は序盤は0-0で試合を進めたが、4回以降守備のミスが失点につながったのが痛かった。ただ。エラーは出たものの、随所で好守備も見られ、はつらつとプレーしている姿が印象的だった。打線も中盤に山口のスライダーを攻略しかける場面もあり、聖地でいくつもの収穫をてにしただろう。エースを中心に、次は自力での甲子園出場を目指す。

【センバツ開幕戦 創志学園 vs 別海 全打席完全ハイライト】 創志学園“名将”門馬監督が新天地で初甲子園采配!別海全力プレーに聖地から大声援!  2024.3.20 阪神甲子園球場 (youtube.com)

コメント

タイトルとURLをコピーしました