独断と偏見で選ぶ、2021年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム 

2021年

市立和歌山(和歌山)

1 小園 10 米田
2 松川 11 伊藤
3 川島 12 亀井
4 杉本 13 高瀬
5 田中 14 堀畑
6 河渕 15 西岡
7 大池 16 宮本
8 平林 17 鎌田
9 吉見 18 井戸

珠玉のバッテリー擁し、挑んだ春

近年の高校野球でこれだけ存在感のあるバッテリーはなかなかいなかっただろう。ともにドラフト一位指名を受けることとなる小園(DeNA)-松川(ロッテ)のバッテリーを擁した市立和歌山は秋の公式戦で県内のライバル智辯和歌山を3度にわたって撃破。150キロに迫る速球に加え、カットボール・ツーシームといった高速系の変化球を自在に織り交ぜる投球は、まさに難攻不落であり、のちに夏の全国制覇を達成することとなる強力打線をもってしても打ち崩せなかった。

一方、打線に関しては4番松川にかかる比重が大きく、勝ち上がれるかは1にも2にも打線の援護次第といった印象であった。もう一人の中軸候補である田中が成長し、2人目のポイントゲッターが現れることが期待されていた。

1回戦

県岐阜商

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 1

市立和歌山

2021年選抜1回戦 市立和歌山vs県岐阜商(4日目第1試合) | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

センバツ高校野球ハイライト 『県立岐阜商業vs市和歌山』 – YouTube

初戦は名将・鍛治舎監督が率いる県立岐阜商と激突。昨夏の交流試合を経験した県立岐阜商の左腕・松野と小園の投げ合いとなった。

高速系の変化球を投げ分ける小園の「高い球速帯」でのボールの変化に県立岐阜商打線は決定打を放てないが、市立和歌山打線もまた野崎の力のある速球を打ちあぐんでいた。しかし、最終回に市立和歌山は1アウト1,2塁のチャンスを得ると、6番杉本がセンターへサヨナラのタイムリーを放ち、熱戦に幕。バッテリーに最後の最後に野手陣が応え、大きな1勝を手にした。

 

2回戦

明豊

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 1 0 0 2
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

市立和歌山

2021年選抜2回戦 明豊vs市立和歌山(7日目第3試合) | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【ダイジェスト】第93回選抜高校野球大会 市立和歌山×明豊 (2021-03-26) – YouTube

続く2戦目は大分の常連校・明豊が相手。初戦は投手陣が乱調で多くの四死球を与えただけに、市立和歌山打線にもチャンスがあり、守りの差で有利かと思われた。しかし、先発した2年生右腕・米田が先制弾を浴びると、初戦の出来が嘘のようにこの日の明豊投手陣は制球が冴える。6回裏に松川のタイムリーで追いつくも、直後の7回表に小園が2年生の3番竹下に勝ち越しタイムリーを浴び、再びリードを奪われてしまう。

このリードを得た明豊は左腕・太田から変則サイド右腕の財原に継投。ただでさえ、打力に課題のある市立和歌山にとっては、この手の投手を初見で攻略するのは厳しかった。四死球でランナーを出すも、機動力も封じられて万事休す。大会随一の「バッテリー力」を擁した市立和歌山だったが、この大会はとにもかくにも得点力不足に泣いた。

ただ、この教訓を活かした2022年は逆方向への巧みな打撃でエース米田を援護。2年生スラッガー佐々木麟を擁する花巻東、関東王者・明秀日立を下し、前年を上回る8強へとコマを進めた。「打」の智辯和歌山に対抗する「守」の市立和歌山は、和歌山県内でその存在感を示し続けている。

 

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