大会10日目第1試合
作新学院
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
1 | 1 | 3 | 1 | 2 | 2 | 0 | 8 | 0 | 18 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
岡山学芸館
作新学院 林→三宅
岡山学芸館 丹羽→中川→西村→仲村→射水→丹羽
3回戦最初のカードは序盤から作新学院の豪打がさく裂!優勝した2016年以来3年ぶりのベスト8進出を果たした。
試合
作新学院は初戦で筑陽学園との熱戦を制しての3回戦進出。前年秋の九州王者を相手に積極野球で常に先手を奪って勝ち切る野球は「作新ここにあり」を印象付けた。投げてはエース林勇が粘りの投球で相手の強力打線を抑え、3失点完投勝利。ここ2年間は強豪を相手に勝利から遠ざかっていたが(2017年 盛岡大付,2018 大阪桐蔭)、連敗のトンネルを抜けたこともあり、伸び伸び野球を見せたいところだ。
一方、岡山学芸館は広島商との「中国勢対決」を劇的な逆転勝ちで制し、甲子園初勝利を手にした。序盤にエース丹羽が顔面に打球を受けるアクシデントで降板したが、2番手の中川が踏ん張ると、打線が広島商の継投策に惑わされることなく攻略。3点差をひっくり返しての逆転勝ちだった。この試合も粘って相手に食らいつき、終盤勝負に持ち込めるか。
岡山学芸館は初戦でアクシデントのあったエース左腕の丹羽が先発。怪我の影響は少なそうだったが、初回から作新学院の鋭い攻撃が襲う。1回表に1番福田の2塁打、3番中島のタイムリーで先制点を奪うと、2回表には下位打線の連打で作ったチャンスに1番福田が犠飛を放って着々と得点を挙げる。序盤から丹羽のストレート、変化球ともにきっちりと対応して見せる。
援護をもらった作新学院の林勇は2回戦と同様に内外角に丁寧に投げ分ける投球で岡山学芸館に点数はおろかヒットすら与えない。四死球でランナーこそ出すものの、要所でインサイドを厳しくつく制球力があり、岡山学芸館の各打者に容易に踏み込ませない投球を見せる。また、ショート石井の1回の2つのファインプレーなど、バックも好守備でエースを盛り立てる。
エースの好投がリズムを生み出すと、作新学院は3回以降も得点を重ねる。3回表には4番石井、5番横山の短長打などで作った満塁のチャンスに8番立石が初球の甘いボールを逃さず、とらえてタイムリー2塁打で3点を追加。相手の守備ミスを突いて一気に生還して1塁ランナーの走塁も素晴らしかった。結局この回で先発・丹羽を早々とKOした。
4回表にはクリーンアップの3連打で加点するなど、結局6回表まで毎回の12得点。各打者に迷いが全くなく、狙ったボールにコンタクトする技術も高い。相手投手が立ち直るスキを与えず、ここ何年も甲子園に出続けたチームのレベルの高さが集約された攻撃だった。
投げては林勇が7回まで6四死球を与えながらも無安打投球で岡山学芸館を封じる。四死球も厳しく攻めた結果であり、制球を乱す様子は見られなかった。なんとか意地を見せたい岡山学芸館は8回裏に2番金城が2アウトからレフトへのヒットを放ち、大記録の達成は阻止した。
作新学院は8回表にも集中打で大量8得点。持ち味の犠打を使わない積極策で最後まで攻撃の手を緩めず、大量18点の猛攻で3回戦を突破し、3年ぶりのベスト8進出を果たした。
まとめ
作新学院は6回まで毎回得点を挙げる猛攻で試合を決めた。小針監督らしい犠打を使わずに強攻するスタイルに、選手が応えた見事な攻撃だった。エース林勇のインサイドを果敢に突く強気な投球に、ショート石井を中心としたバックの堅い守備と投攻守すべてがかみ合っての快勝劇。3年ぶりの王者を狙うチームが豪快に3回戦を突破した。
一方、敗れた岡山学芸館にとっては厳しい展開になってしまった。投打ともに完敗の内容だったが、何より作新学院の積極的な野球の前にペース争いで後手を踏んでしまった印象が強かった。ここまでの点差がつくほどの力の差はなかったのではないだろうか。それでも甲子園で初勝利を刻んだことは事実であり、後輩が夢の続きを見せてくれることを期待してこの年の夏は幕を閉じた。
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