2021年選手権1回戦 日大山形vs米子東(1日目第1試合)

2021年

大会1日目第1試合

米子東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
1 0 2 0 0 1 0 0 × 4

日大山形

 

米子東   船木佑→藪本

日大山形  斎藤→滝口

2021年夏のオープニングゲームは、先制・中押し・ダメ押しと着実に得点を重ねた日大山形が終始試合をリード。最終回の米子東の反撃をリリーフした滝口に好投で振り切り、4強入りした2013年以来8年ぶりの甲子園1勝をマークした。

試合

互いに強力打線を誇る一方で投手力にはやや決め手を欠く似たもの同士の対戦。コロナ下での開幕ゲームという難しい状況の中で、初回の攻防が明暗を分けた。

1回表、米子東は立ち上がり変化球が浮きがちな日大山形・斎藤を攻める。2番藪本、4番太田の当たっている2年生コンビがヒットを連ね、失策・四球も絡めて満塁のチャンスを迎える。相手のミスも出た中で、是が非でも先制点が欲しい場面だったが、ここで6番岡本は初球の変化球を打ち上げてしまい、サードフライで無得点に終わる。

これに対して、怪我の影響が心配された米子東の先発・船木佑も先頭の秋葉にストレートをとらえられてライトへのヒットを許すが、捕手・船木洸が見事な送球で盗塁を刺す。しかし、制球の安定しない船木佑は続く2番新田に四球を与えると、今度はディレードスチールを敢行し、盗塁成功。山形大会7盗塁を決めた1,2番コンビが執拗に足で揺さぶったところで3番佐藤にタイムリーが飛び出し、日大山形が欲しかった先制点をものにする。

互いにミスや四死球が出た中で、自分たちの形を貫いて得た先制点が日大山形に勢いをもたらしたことは間違いないだろう。

追加点を狙う日大山形は3回裏にも2アウトランナーなしから再び2番新田、3番佐藤が短長打を放って1点を追加。バッテリーの外角への配球の偏りを見切った佐藤の見事なレフトオーバーである。さらに続く4番伊藤には追い込んでからの変化球が甘く入り、ライトへのタイムリーとなってもう1点。初回に足で先制点をもぎ取った日大山形が今度は中軸の打力で大きな2点を挙げた。

反撃したい米子東は5回表に先頭の7番中本が3塁強襲のヒットを放って出塁するも、続く8番船木洸の1,2塁間を抜けようかという当たりがランナーの中本に当たってしまい、守備妨害でチャンスを逸する。中盤の貴重な反撃の機会だっただけに、米子東にとっては痛い場面であった。

6回裏に日大山形は斎藤が自ら追加点となるタイムリーを放つと、中盤以降は毎回のように得点圏にランナーを背負いながらも最後の一本を出させない。内野陣もこの日2つの併殺を完成させるなど落ち着いた守備で投手を盛り立てた。

2番手の藪本が踏ん張って流れを引き寄せる中で、なんとか1点の欲しい米子東。最終回にようやく斎藤を完全にとらえ始める。これまで好守で苦しめられていた三遊間を連続で破り、6番岡本からの3連打で1点を返す。さらにラストバッターの中尾もヒットで続き、同点のランナーも出たところで荒木監督はたまらず2番手の滝口をマウンドに送る。

非常に厳しい場面となったが、この滝口が土壇場からナイスピッチングを見せる。斎藤以上にキレのあるストレートとコーナーに決まる変化球で、打ち気にはやる米子東の上位打線を次々切って取り、なんと3者連続三振締め。2番手投手がこの試合の主役を奪わんとばかりの快投を見せ、日大山形が開幕戦をものにした。

まとめ

日大山形は硬軟織り交ぜた攻撃で要所要所で得点を挙げ、継投策がきっちりはまるという理想的な試合内容であった。特に2番新田の足と3番佐藤の強打はまるで阪神が強かった時の赤星と金本のような攻撃の融合であった。また、最終回にはピンチを迎えたが、滝口が好投を見せたことで結果的に継投の選択肢も増えることに、投打に投攻守走に充実した内容で次戦はV候補・浦和学院に挑む。

米子東は積極的に打っていく打撃で日大山形を上回る12安打を放ったが、つながりを欠いて1得点にとどまった。鳥取大会を打ち勝つ試合でものにしてきたが、不運な守備妨害などでチャンスを活かしきれず。エース船木佑が本調子でないなか、結果的に総失点は4で踏ん張っただけに、惜しまれる展開であった。ただ自分たちの持ち味は十分発揮した戦いぶりであり、次回に4元号での勝利達成を目指す後輩たちに財産を残したことは間違いないだろう。

2021年選手権1回戦予想 日大山形vs米子東 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

『ハイライト』 日大山形 vs 米子東 第103回全国高校野球選手権大会 第1日 2021年08月10日 – YouTube

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

タイトルとURLをコピーしました