2021年選抜決勝
東海大相模vs明豊
52% 48%
〇3-1 東海大甲府 〇10-9 東播磨
〇1-0 鳥取城北 〇2-1 市立和歌山
〇8-0 福岡大大濠 〇6-4 智辯学園
〇2-0 天理 〇5-4 中京大中京
球数制限が導入されて初めての甲子園。決勝はともに複数投手で勝ち上がる東西の強豪の激突となる。
東海大相模はエース石田が2試合連続で相手打線を0封。持ち味のキレのあるストレートは伸び、スピードともに申し分なく、大会を通じて徐々に調子を上げてきている。チェンジアップとの緩急も抜群であり、準決勝を見る限り大崩れはまずないだろう。決勝に来て石川や求の登板があるかどうかは定かでないが、エースの安定感で優位に立つ。
対する明豊打線は準決勝は4回に集中打で5点を失ったものの、5回以降は珍しく沈黙。特に終盤は中京の3番手の長身右腕・大江の角度のあるボールに苦戦しており、このあたりを相模・門馬監督がどう見るか。ただ上位の阿南、幸、黒木、米田の4人はともに当たっており、試合ごとの打順の組み換えも当たっている。1試合通じて完全に抑え込まれることは考えづらく、3~4点は取るのではないか。
やってみないとわからないのはむしろ明豊の投手陣か。大会序盤は太田、京本ともに不安定な投球が続いていたが、準決勝では2人とも復調。細かいコントロールがあるわけではなく、ボールの力やキレで抑え込むタイプだが、その日の調子次第では快投も期待できる。捕手・蓑原の一番いい球種を活かすリードも重要だ。最も安定感のある3番手の財原にリードした状況でつなげれば理想的だろう。相模の機動力を抑える意味でもできるだけ無駄な四死球は減らしたい。
対する相模打線は準々決勝で打線爆発して復調したかと思ったが、準決勝は再び天理の2年生左腕・仲川の前に沈黙。ただ、上位打線を中心にいい当たりは続いており、明豊バッテリーがスキを見せれば一気の大量点もあるだろう。序盤に相手投手のコントロールが落ち着く前に門馬、綛田、柴田らの上位打線で畳みかけられるか。明豊投手陣vs相模打線の対決がこの試合のカギを握っている。
投手陣の安定感ではやはりエース石田が安定している東海大相模が一枚上か。明豊が持ち味の全員野球で終盤まで食らいついていけば面白い試合になりそうだ。
主なOB
東海大相模…原辰徳(巨人)、菅野智之(巨人)、田中広輔(広島)、大田泰示(日本ハム)、大城卓三(巨人)
明豊…城島健司(ダイエー)、今宮健太(ソフトバンク)、濱田太貴(ヤクルト)
神奈川 大分
春 0勝 1勝
夏 3勝 0勝
計 3勝 1勝
選抜は大分勢が2019年選抜で初勝利。明豊が横浜の好左腕・及川を見事に攻略した。対して夏は神奈川勢が3連勝中。1991年の夏は柳ヶ浦の好投手・岡本克(ダイエー)を終盤に桐蔭学園が一気に攻略。高木大(西武)、副島(ヤクルト)、高橋由(巨人)と強打者をそろえた打線が火を噴いた。また、1998年夏にはあの松坂大輔(西武)擁する王者・横浜が柳ヶ浦の粘りに苦しみながらも6-1で初戦を突破している。
コロナ明けで震災からも10年のメモリアルな大会を制するのはどちらのチームか、決勝の幕があがる。
思い出名勝負
2019年選抜1回戦
明豊
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 5 | 4 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 13 |
3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 5 |
横浜
明豊 若杉→大畑
横浜 及川→松本→木下→及川
平成最後となる選抜大会の1回戦で好投手vs強力打線の屈指の好カードが実現した。
横浜は1年生時から速球派左腕として注目された左腕・及川がエースに成長。一時期イップスに苦しんだこともあったそうだが、2年夏の花咲徳栄戦で好投を見せるなど、復活を遂げ、新チームではチームを関東大会まで導いた。その関東大会ではストレートを狙い打たれて春日部共栄相手にまさかのコールド負けを喫したが、及川のポテンシャルを評価されて関東5番目で選出。不気味な存在として本大会でにらみを利かせていた。
対する明豊は分厚い投手陣と強力打線で九州大会で準優勝。2015年夏に準優勝した仙台育英に1-12とショッキングな大敗を喫したが、川崎監督の地道な指導でチーム力を強化し、2017年夏にはベスト8まで勝ち進んだ。2年生の技巧派左腕・若杉に加え、寺迫、大畑ら速球派の3年生右腕もいる投手陣は充実。表、布施、野邉ら強打者が上位に並ぶ打線も好調で、選抜では初となるベスト8を狙っていた。
立ち上がり、及川は予想に反してスライダー主体の投球を見せる。ちょっと多すぎるのではないかというほどだったが、これに困惑したか打者一巡目は明豊打線を抑えることに成功する。
これに対して、横浜打線は初回から好調。1番内海へのいきなりの死球で動揺したか、スライダーが高めに抜けるところを3番小泉、4番吉原、6番及川ととらえられて2点。さらに盗塁で送球がそれる間に3塁ランナーがホームインして3点目と、往年の横浜らしいそつない攻めが戻ってきたような初回の攻撃だった。
若杉は2年生投手で大舞台で、しかも名門校相手ということもあってなかなか緊張の色を隠せない。2回裏になってもスライダーの制球がままならず、ヒットで出た9番山口にセンター前に運ばれると、送って1アウト2塁から1番内海にタイムリーを浴びて4点目。横浜にとってはここまで理想の展開である。
ところが、この流れが3回表に突如暗転する。及川に不安視していた制球難が出始め、連続四球でランナーをためると、1番主将の表に取りに行ったストレートを痛打されてまず1点。さらにランナーをためて3番布施、4番野邉にはともにスライダーをとらえられて連続タイムリーで一気に同点となる。動揺した及川の暴投でランナーは3塁に進むと、6番青地のサード強襲の当たりが内野安打となってついに明豊が逆転に成功する。
横浜バッテリーにとってはストレートが走っていないという判断のもとでのスライダー多投だったかもしれなかったが、かえって多投したことで序盤から見切りをつけられてしまい、スライダー、ストレートともに明豊の打者にとっては脅威ではなくなってしまったのかもしれない。結局及川は3回途中での降板となった。
逆転した明豊は4回にも2番手の2年生左腕・松本(DeNA)を攻めて満塁とすると、5番薮田が走者一掃のタイムリー2塁打を放って一挙3点を追加。序盤の大量ビハインドを跳ね返したぶん、その後の勢いは止まることなくむしろ加速していった。
反撃したい横浜だったが、4回から登板した右腕・大畑の角度のある速球の前に抑え込まれる。7回に4番吉原の会心の一発で1点を返すが、時すでに遅し。終盤に再び明豊の5番薮田に満塁走者一掃打を浴び、薮田はこの日一人で6打点の大暴れ。明豊が予想に反して大差で勝利し、2回戦進出を決めた。
明豊は序盤は先発・若杉の乱調に苦しんだが、3回に一気に劣勢を跳ね返した打線には底力があった。リードされていても各打者が冷静に相手のボールを見極めていき、相手の持ち球を一つずつ奪っていった。若き川崎監督のもと躍進を図る明豊にとって強豪・横浜から奪った勝利は大きな自信になっただろう。この大会で初のベスト4まで勝ち上がり、そして今回は決勝進出。大分の強豪として着実に階段を上っている。
対する横浜はここ最近ずっとそうであるように選手個々の能力が高い中でも結果が出なかった。一時期は出れば必ず8強以上まで勝ち進んでいたが、ここ数年は出場回数こそ重ねているものの、甲子園でも実績ではライバル東海大相模の後塵を拝している。
以前の渡辺監督、小倉コーチ時代のような1点を緻密に奪い取って守り抜く野球をしなければいけないわけではないが、とにもかくにも現状の野球では勝ち進むことは難しかったようだ。今は監督も交代し、心機一転新たなスタートを切っている。
2021年選抜決勝予想 東海大相模vs明豊 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【第91回 1回戦2日目第2試合フル】明豊vs横浜 2019年3月24日■選抜高等学校野球大会(甲子園) – YouTube
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