2022年選抜1回戦予想 日大三島vs金光大阪

2022年

2022年選抜1回戦

日大三島vs金光大阪

54% 46%

 

38年ぶりの選抜出場となった日大三島は再び初戦で大阪勢との対戦となった(前回は三国ヶ丘)。投打で日大三島がリードしている感はあるが、金光大阪がどこまで食い下がれるか。ともにエースが主軸を務める、似たチームカラーでもある。

 

日大三島は投打で中心となるエース松永がチームを引っ張る。ストレートのスピードは140キロ前後だが、非常に球威のあるボールで相手打者のバットを押し込める。変化球でかわす投球もでき、神宮では強打の九州国際大付打線を2失点で抑えてその実力を証明した。松永に次ぐ2番手が冬の間にどこまで育っているかが勝利のカギを握りそうだ。

対する金光大阪打線はスタメンの過半数を2年生が務める若い打線だが、中心になるのはバッテリーを組む3番古川、4番岸本になるだろう。2人の前にいかにランナーを出して回せるか。横井監督は、比較的オーソドックスな攻撃スタイルであり、中軸の結果がそのまま得点に反映されそうだ。

 

一方、金光大阪のエースは右腕・古川。ストレートとスライダーで勝負するタイプであり、スライダーの制球力がその日の調子のバロメーターとなる。左打者の多い日大三島打線を相手に、いかにこのスライダーを活かせるか。4番捕手で主将と一人三役を務める岸本の卓越したインサイドワークが求められるだろう。投打にバッテリーが活躍することが勝利への絶対条件だ。

対する日大三島打線は4番の松永以外にも池口、野口、吉川らセンスある好打者が並ぶ。特に池口はパンチ力ある打撃が光り、要注意の存在だ。1番から5番に左打者が連続し、6番から9番に右打者が並ぶというかなり極端な打順を組んでいるが、これはこれで相手投手にとっては投げにくいかもしれない。大物うちはいないものの、得点力は決して低くない打線だ。

 

永年近畿を主戦場としてきた永田監督としては、金光大阪のチームカラーもある程度は把握しているだろう。東海王者が勝つか、金光大阪が4度目の正直で初勝利をつかみ取るか、注目の一戦が幕を開ける。

 

主なOB

日大三島…小澤怜史(ヤクルト)、室伏重信(ハンマー投げ)、岩崎恭子(水泳)、山本昌邦(サッカー)、船越英一郎(俳優)

金光大阪…愛敬尚史(近鉄)、吉見一起(中日)、植松優友(ロッテ)、陽川尚将(阪神)、田畑智子(女優)

 

静岡  大阪

春  6勝  7勝

夏  3勝  6勝

計  9勝  13勝

対戦成績は大阪勢が春夏ともにリードしているが、近年は互角の様相を呈している。

1983年夏はPL学園が選抜4強の東海大一と対戦。桑田、清原(巨人)という1年生を投打の主軸に置いたチームに対し、東海大一のほうが有利かと思われていたが、エース杉本尚の先発を回避したことで、PL学園が先手を取る展開に。この試合を6-2と制したことで、若いチームに勢いがついたのは確かだろう。その後、3季連続制覇を狙った池田も下し、全国制覇を果たすこととなる。

一方、1986年の選抜では浜松商がPL学園を8-1と大差で撃破。6季連続の甲子園だったPL学園だったが、桑田・清原のぬけた穴は大きく、前年の選抜で11-1と大差で下した浜松商にリベンジを許した。ただ、この敗戦の悔しさを糧に翌年再び復活したPL学園が春夏連覇を達成することとなる。

思い出名勝負

2007年選抜準々決勝

常葉菊川

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

大坂桐蔭

 

常葉菊川  田中

大坂桐蔭  中田

 

前年夏選抜優勝の横浜を2年生主体のチームで下した大阪桐蔭。中田翔(日本ハム)をはじめ主力がごっそり残ったチームはこの選抜で優勝候補の一角として帰ってきた。投手・中田も復活したこの大会では初戦で中田が1安打に抑えて日本文理を下すと、佐野日大戦では2打席連続のホームラン。怪物が投打に乗った状態で準々決勝を迎えていた。

一方、この大会まで甲子園未勝利ながら前評判の高かった常葉菊川。田中健(DeNA)、戸狩の左2枚看板を擁し、送りバントをしない強力打線で上位進出を狙っていた。初戦では仙台育英の注目右腕・佐藤由(ヤクルト)を強行策で突き崩して2-1で退けると、2回戦ではこれまたプロ注目の好投手である今治西・熊代(西武)を集中打で圧倒。エース田中も17三振を奪い、10-0とまさかの大差で退けてベスト8へコマを進めた。

 

試合は中田翔をいかに常葉菊川バッテリーが抑えるかだった。また、中田翔以外にも岡田雅(西武)、丸山、堀、那賀、山口、生島ら好打者がずらりと並び、この打線を抑えきるのは容易ではなかった。

しかし、予想に反して試合は投手戦に。中田翔が140キロ台のストレートとスライダーで常葉打線を料理すれば、田中健二郎も角度のある速球と果敢な内角攻めで桐蔭打線を5回まで0封。中田翔からも逃げずに勝負し、凡打に打ち取った。

先制点は6回裏、大阪桐蔭は中田翔の後を打つ5番堀がライト前にはじき返して先制。昨夏の履正社戦、横浜戦といい桐蔭は大事なところで彼の勝負強い一打に救われてきた。

中田翔の出来からして1-0のまま試合が終わるかとも思われたが、8回表常葉は投手・田中の長打からチャンスを作ると、町田がうまくライトへはじき返して同点に。外角のボールにうまく対応した。

だが、得点が入ると試合は動くもので、その裏2アウト2塁で打席には中田翔。常葉バッテリーは勝負を挑み、内角を突いたボールは少し甘く入った。中田翔のとらえた打球はレフトへ一直線。スタンドに入るかと思われた打球は、しかしフェンス手前で失速。同点のまま試合は9回に進む。

すると9回表、疲れの見える中田翔からエラーとレフト前ヒットでチャンスを作ると、この大会要所で活躍を見せる捕手・石岡が内角のボールをうまく引っ張って勝ち越しのタイムリー2塁打。裏の攻撃を田中が封じて常葉菊川が見事に優勝候補筆頭を撃破した。

 

常葉菊川は田中―石岡のバッテリーが攻めの姿勢を忘れなかった結果、1発のある打者がずらりと並ぶ大阪桐蔭打線をわずか5安打1点に抑えた。また、打線も取った得点は2点だったが、フルスイングを続けたことで中田翔にプレッシャーをかけて終盤の反撃へとつなげた。

勢いを買って常葉菊川はこの大会優勝。一気にスターダムへとのし上がる、そのきっかけになったともいえる試合だった。

2007常葉菊川 選抜 大阪桐蔭戦 中田vs田中・石岡バッテリー – YouTube

【好投手列伝】大阪府篇記憶に残る平成の名投手 3/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【好投手列伝】静岡県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

コメント

  1. […] 2022年選抜1回戦予想 日大三島vs金光大阪 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.j… […]

タイトルとURLをコピーしました