沖縄に初の真紅の大優勝旗をもたらしたエース。2010年の夏において、やはりその経験値・実績・実力は頭一つも二つも抜けたものがあっただろう。小柄な体をいっぱいに使ったトルネード投法から投げ込む回転のいい真っすぐとキレのある変化球は強豪校の好打者たちを苦しめ続けた。夏の大会でもまともに打ち込まれたのは報徳学園戦と聖光学院戦の序盤のみ。あとはほとんどの時間帯は島袋ー山川の興南バッテリーペースで試合は進んでいたといっても過言ではないだろう。
左投手には珍しく、ホームプレートの3塁側の踏んで投げていたため、右打者のインサイドへの角度は突きにくかったが、その代わり左打者のインコースへは投げ込みやすくなった。選抜での智辯和歌山戦で西川揺(日本ハム)を相手に投げ込んで抑えたように、勝負所で相手の主力の左打者を相手に投じていたため、効果は絶大であった。
また、前年から指摘されていたようにストレートへのこだわりは相当なもの。序盤は相手が狙っているとわかっていながらストレート主体に投げ込んでいたため、準決勝の報徳学園戦のように痛打を食らう場面もあった。しかし、それも1試合トータルでの配球の流れを見越したものであり、気が付けば島袋の術中にはまっていたため、終盤に打たれる場面はほとんど見られなかった。琉球の大エースの投球は時が過ぎても高校野球ファンの記憶から消えることはないだろう。
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